道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

バイトテロ不適切動画とかがブーム

先日来、大手チェーン店の従業員による不適切動画の投稿が大きな問題となっている。

いや、大きな問題となっているのかは知らんけど、騒ぎになっている。

そんで、大戸屋が3/12に店舗を一斉休業して従業員研修をしますとかなんとか、そのコストは経常利益で一億円になりますとかなんとか。

 

まず、馬鹿な動画を「投稿」する奴がバカであることにはなんの異論もありませんし、どのような理由があってもそいつらはバカだなとしか言えないです。

ただまあ、アルバイトだろうが社員だろうが派遣社員だろうがパート社員だろうが、仕事中にバカなことをすることは、そんなに珍しいことじゃないでしょう。

たとえば飲食業で言えば、ちょっと期限の切れた材料を使っちゃったとか、落っこちた食材を使っちゃうとか、衛生手順をすっ飛ばしちゃうとか、そんなことは、ないとは言えないです。もちろん、それがバレたら問題になります。

製造業でも、作業標準を守らないことがあるとか、医療現場でも、そういうことがあるかもしれない。

 

やらなきゃいけないことがあって、やってはいけないことがあって、でも、なんらかの理由(忙しいとかめんどくさいとかダルいとかうざいとかキモいとか腹減ったとか早く帰りたいとかいろいろ)で、守られないルールがある。

もちろんそれは、バレたら問題になるのです。

 

バカなこと、もそんなことの一部だろうな、って思っています。

誰でも、どこでも、そんなのはあるので、「まったくもってけしからん!」とか憤るつもりもないし、その店や会社に対して「教育どうなってんだよ」と石を投げるつもりもないです。

 

ただ、それを動画に撮影するところまではともかく、「ネットにアップする」のは最大級の罵倒を浴びせたいと思います。

彼らがバカであることには、一ミリの疑いもありません。バカです。

 

でもね、なんで彼らがそんな馬鹿なことをしたのかっていうと、その気持もわからなくもないなと。思ってしまうのです。

俺が若い頃にネットがあってスマホがあったら、同じようなことをしていただろうとも思うし。バカだったから。

 

おそらくみんな、深夜のアルバイトじゃないかと。

問題になった会社の人たちは口々に、人手不足で、という言い訳をしますよね。人手不足なんですよ。このへんの、低価格帯の飲食やコンビニは。

しかも深夜帯ともなれば、ほんとに人手不足だと思います。

その多くは、少人数の社員やアルバイトが、ギリギリのシフトで入らされているんだと思うんです。いわゆる「ブラックバイト」

 

休みたくても休めない。休みの日だけど誰かが出られなくて代わりに入ってと言われる。

熱があろうが、テストだろうが、親が倒れようが、なかなか休めない、そんな環境だったんじゃないかな、と思うんですよね。

 

昔、ある牛丼店でバイトしようと思ったんですよ。面接して、採用になって研修してたんですけど、毎日、「何日のこの時間とこの時間とこの時間とこの時間、誰か入れませんか」っていうメールが来る。

え? そんなに人いないの? って思って、あといろいろな点で「ダメだここ」って思って即辞めたんですけどね。

おそらくそれはレアケースじゃないと思うんですよ。

あとこれは、断言していいと思うんですけど、商品の価格が低い店舗って、どうしたって、客層の質も低いじゃないですか。比較的、低いし、悪い。

そういう店舗で日々、少ない人数で長時間働いていると、マナーだのモラルだのっていう感覚は麻痺していきますよ。

そんな状況では、店に来る客だってみんな「めんどくせーやつが来た」って眼で見てしまうだろうし、「いつだって辞めてやる」って思ったりします。だって、辞めたくても辞められないんだもの。やめるどころか、休みすらろくにとれないんだもの。

 

バイトなのに。給料安いのに。仕事大変なのに。待遇悪いのに。

 

「割に合わない」と思って働いているんだから、会社のためにがんばろうとか、ちゃんとやろうとか、お客さんに喜んでもらおうとか、自分たちの仕事に対してのプライドとか、そんなもん、一ミリもあるわけがないです。

 

そういう背景が、語られないことには俺はすごくモヤモヤするんですよね。

もちろん、動画を投稿した彼らはバカだけれども、そのバカが我慢できないところに追い込んでいるのは店長だろうし、その店長もギリギリ以上に追い込まれているのは、会社から追い込まれてるんでしょう? ということです。

 

「バイトテロ」という言い方は俺は好きじゃないんです。

多分、テロをしてやろうというところまであのバカたちは考えていないと思うので。

ほんとにおもしろいと思ってやってるだけなんじゃないのかね、バカだから。と思っていて。

ただし、逆の意味ではバイトテロというのは言い得て妙だなとも思えます。

それは、会社側企業側が、テロリストを誕生させる状況まで、追い込んでいるというのも、おそらく事実だろうからです。

 

図らずも、セブンイレブンが24時間営業を見直すというニュースも大きくなってきました。発端となった店舗のオーナーは、夫人の葬儀にもろくに出られないような状況で、営業していたとも聞きました。

かつて俺が年中無休店舗で店長をしていたとき、親の葬儀にも出られないだろうなと本気で感じていました。

そんなのが、決して珍しくないのが、今の日本のサービス業です。

 

良い商品を、顧客満足、ホスピタリティ。。

会社側は客や株主に対して良いことをアピールしますが、それらを直接手渡す存在である現場の従業員に対して、大切に扱い尊重する、というような態度は、ほとんど見られないのではないでしょうか。

 

良い商品にもサービスにも、時間もお金もかかる。

顧客満足には、従業員満足が不可欠。

 

そんな当たり前のことが、ないがしろにされているのが、多くの大手チェーン店の現状だと思います。

 

本気で不適切な行為をやめさせたいと思うのなら、きちんとした条件でアルバイトを雇うという、最も基本的なことを、企業側が守るということがなによりも優先してやるべきことだと思うのです。