道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

漢方薬の保険適用外騒動について

夜中に友人からのメールがきて知った

 珍しいことだった。夜中の一時にケータイメールが来た。友達がいないのでプライベートケータイに来るEメールなんてメルマガ程度なので、何かと思ったらふるい友人だった。以下に転載する

 医療関係で働いてる仲間から、こんなメールが来ました。

『夜分失礼しますm(__)m

突然のお願いすみませんm(__)m

日本の医療危機に拍車がかかろうとしています

皆さん力をお貸し下さいm(__)m

行政刷新会議の11日の事業仕分けで、漢方薬が湿布やビタミン剤などと共に保険適用を除外するかどうか検討され、ほとんど議論のないまま全体としては除外する方向でまとまりました。

漢方薬が保険から外される可能性が高まり、阻止すべく署名活動が始まっています。

賛同いただける方は、
http://bit.ly/kshomei
にて署名をお願いします。

漢方薬で救われた人は沢山います

キチンとした議論がなされないまま、一方的に決まり、この決定を知らない方が多い事に危機感を覚えます。

賛同頂ける皆様は、是非知り合いの方にこのメールを転送下さい。』


ってゆーメール。
小学生の頃にね、あたし漢方薬で治してもらった記憶があるのね。確か副作用が少ないからってことで。
クソ不味い薬だったけど、あの薬で良くなったんだなとか思うと、これって困る人多いんじゃないかととりあえず署名しちゃった。

どう思う?
漢方薬を保険から除外するのは、それなりの理由があるのかな?

なんて、深夜にチェーンメールのようなメールを送り付けてごめんなさいm(__)m

 ふむ。彼女からメールなんてほんとに珍しい事態だし、とても世話になったよき友人だし、調べてみることにした。

なかなか判断できる材料がネットで見つからなかった。

 とりあえず「漢方 適用外」でぐぐる。するとツムラの社長が反発しているという日本薬事日報? なるサイトに出会った。
 なるほど漢方薬メーカーの社長が直々に声明を出すとは大変なのかな? と思うも、それ以外には目だった取り上げ方をされていない。
 まもなく署名サイトが検索にヒットするようになり、いくつかのメディアに取り上げられているようだ。
 でもなかなかそれ以上のものには出会えず、まあ忙しいってのもあって放置していたんだけど、ようやく事業仕分けのHPの見方がわかって先ほど内容を確認できた。

 行政刷新会議ホームページ
 
 ただこのサイト、というか事業仕分けもたくさんの数があり、この中のどこを見ればその「漢方薬が保険適用外になる」かどうかがわからなかった。素人にはきつい作業だった。

そんなに大騒ぎする問題だろうか

 行き着いた資料を紹介します。PDFファイルです。この仕分けは11月11日の第2WG(ワーキンググループ)事業番号2-5「後発品のある先発品などの薬価の見直し」という項目で、日程表によると14:30〜15:45のコマの一項目のようです。

 配布資料(PDFファイル)

 この資料の55ページに書かれているのがどうやらそれのようです。
 「4.市販品類似薬の薬価は保険外とする」とあり、
 そこに、「湿布薬、うがい薬、漢方薬などは薬局で市販されており、医師が処方する必要が乏しい」とあります。

 もう一点「高齢者の半分近くが処方された薬を飲み残しており、その分、無駄に公的支出が行われている」ともあります。

 そして資料は「国民の税金・保険料で持ち合う公的医療保険の対象として、湿布薬・うがい薬・漢方薬などは薬局で市販されているものまで含めるべきか、見直すべきではないか。」
 と問いかけています。
 つまり、湿布薬やうがい薬などは病院で保険適用させるほどのものではなく、市販品を買ってもらえばよいのではないか。また、高齢者に大量に投与されている薬も、保険適用させているのに完全に服用されているとは言えず、もったいない場合がある。ならば、市販品で類似の薬がある場合は保険を適用させるのを見直すべきじゃないか? ぐらいのことなんじゃないかな。
 どこにも「漢方薬には保険を適用させるべきではない」とは書かれていないように見えます。まあ、動画とかで実際の仕分けの議論を見たわけじゃないんですけど。

そして事業仕分けの結果

 http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov11kekka/2-5.pdf(PDFファイル)

 =WGの評価結果=
 「後発医薬品のある先発品などの薬価の見直し」の結果
 「見直し」との結論は15名全員で、その内
   「市販品類似薬は保険外」の見直し11名となったわけです。

 とりまとめコメントから抜粋
 「エの市販品類似薬を保険外とする方向性については当WGの結論とするが、どの範囲を保険適用外にするかについては、今後も十分な議論が必要である。

 というわけで、なんとなくテンションとして「漢方が一律保険適用外になることが決定された」っていう反対派の皆さんがそんなに胸を痛めるほどじゃあ(まだ)ないんじゃないかな、と思いました。
 個人的にはもっと取り上げられるべき問題があるような気がします。

 一国民目線として。ずぶの素人として。