山本太郎氏の日本母親連盟での講演会から見る講演の技術
山本太郎議員が極右カルト「日本母親連盟」の講演会で主催者をフルボッコにしてしまう | BUZZAP!(バザップ!)
浜松の舘山寺温泉に仕事関係の旅行でお世話になりました。とてと心良い時間を過ごせました。温泉旅館ていいなーと思いました。
上記記事もかなり煽り気味だな、とは思います。
山本一太議員でも山本一郎氏でもなく、参議院議員山本太郎氏の講演についての記事です。
記事媒体の体であれば、冒頭から極右カルト団体、というのは過激な言い回しだなーと。
内容については記事にもある通り動画を見てもらうのが良いのでしょう。
俺も51:20頃からの質疑応答での山本太郎氏の回答部分だけ見ました。
なるほどとても面白かったな、という印象。
山本氏が舞台からはけた後、司会者がロボのように締めているところに、連盟の代表者である阪田氏が突然現れてしどろもどろでフォローの挨拶をする件まで、とてもおもしろかったな、と思います。
山本氏の講演というのは映像でも初めて見たのですが、正直早口だなーという感じです。
なんとなく熱量はつたわるけれども、本当にリーチしたい方々に届くリズムかな?と思うと、やや疑問があります。
山本氏も言っているとおり、母親連盟の会員さん方が、ふわっとした感じで参加して活動して聴きに来てるのであればなおさらかなと。
あちらこちらで色々なシーンで話すことのある山本氏ですから、話慣れしているのでしょう。
まあしかし相手はプロのプロですのでそこは俺なんかが評価するところではないですけど。自分は気をつけようと思ったところです。
特に注目するのはその内容で、話し手であれば、話す場所に招かれるのは嬉しいことで、良い関係を築いていきたいと思うのは当然のところです。
なので、呼んでくれたところのことを悪く言ったりすることは難しいのは当然のことですが、なるべくその部分には気づかないフリをしたいもの。
ですがそこはさすが山本氏で、信念と情熱を揺るがずに行動に移してこられた方ということなのでしょう、きっちりと相手のことを理解した上で、そして「自分を利用されないように」ポイントを抑えていく。
これまでもその知名度から、色々なすれ違いや認識違いも多々あったからこそなんだろうなーと思いながら眺めました。
俺自身、今、NPOや市民団体と関わって活動のお手伝いをしているので、そこには色々な繋がりが出てきます。
そうすると、この人は誰だろう? この団体はなんだろう? とわからないことがたくさんあります。
子供のために、安全のために、大規模に活動している団体、どこかで有名な先生、説得力を持たせようとする講演など、様々ですが、どこまでを額面通りに受け取ればいいのか、わからなくなってきます。
活動の幅が広がり、つながりが増えれば増えるほど、それは分からなくなっていきます。
ある程度活躍をしている、そういったことに疎い方々が持ち上げられ、突撃隊長にさせられ、良心をくすぐられるながら周りを巻き込んで悪意のないままに傷つけていくのは、様式美です。
そこでもやはり、団体側に承認欲求をくすぐられ満たされ、タダ働きで泥を喜んで被っていく人間が誕生します。
ああなるほどカルトだなーと思うのです。
話を戻すと山本氏の講演は、大体の幹部に対してケンカを売ったという訳では無いと思います。この目的は、そういう会の主張や、深い関係者の思想を知らずに連盟の活動に賛同している人達に対して、その招待を詳らかに教えてあげることだったのではないかな、と思うのです。
有名な山本氏を招く講演会であれば、連盟は最大限の動員をかけて、また新規会員の獲得チャンスとして活用するでしょう。
まさに山本氏は客寄せパンダで、「私たちの団体はこんなに有名な政治家を呼ぶだけの規模と信頼があるから、私たちの活動に参加してくださいね」ということだけが連盟には重要で、山本氏の講演内容なんかどーでもいいんです。
要は1人でも多くの人が来てくれて、署名してくれて会員名簿に名前を書いてくれればいい。
だから誘われて初めての人が沢山くる。
子どもたちのためになる活動なら。反原発の活動にお手伝いできるなら。日本の未来を良くできるなら。
何か出来ることがあるのなら、私も少しお手伝いしたいから。
そんな思いで来て下さる。
でも、というかだからこそ山本氏はそこに待ったをかけるのです。
「あなたがなんとなく来てくれてますが、主催団体はこんなところですよ。それでもいいんですか?」
と。
「団体を通しての応援は、私は受けませんが、個人としてなら話しますし応援も歓迎しています」
と。
団体の力になるのではなく、あなたの意思で、行動で、山本を応援するかしないか決めてください。考えてください。投票してください、と。
なるほど政治家というのはすごいな、と思いました。
講演は、技術ももちろん大切だけど、信念や気持ちが、なにより大事なのだ、と改めて確認できました。
先日石破茂氏が、動画配信の中で田中角栄氏の教えを紹介されていましたが、
「ハマコーの演説だけは金を払ってでも聞け」
と言われていたそうです。