パケット通信料とは
パソコン接続でパケット代20万円 返還求めてソフトバンクを提訴
契約では通信料を「1パケット=0・2円」で計算。パソコンに接続した場合はサイトのデータ量が多くなり、通信料が高額になることがある。
まあ、以前から「よくある」ことですが、今でもまだあるんです。かねてより言ってますが、自動車運転の初心者も毎日誕生し、ネット初心者も常に存在するように、携帯電話という文化が定着したとしてもそれに不慣れなユーザーというのはいなくなるわけではありません。
で、「馬鹿だな。」とか「恥ずかしいな。」とかいう批判ばかりを述べるのも自由ですが、ここは一つ基本に立ち返ってアラタメテ勉強しておく機会と捕らえましょう。
大体、叩いてる人たちの言うこともなかなか知識的に中途半端なものが多い。料金設定が妥当かどうかはともかくとしても、「規約に反してない。」と断ずるだけの根拠をつきつけられるかどうかは疑問である。
というわけで、携帯電話を利用してのインターネット通信料金、いわゆる「パケット通信料」について、auを例に説明を試みる。テキストだけってのがイマイチ不安だが・・・
いつもどおり俺の脳内知識だけで書きます。ググレカスは置いといてくださいませ。
パケットってなんだろう
「パケット」という単語は何語だかわからんが、日本語に直すと「小包」である。
なので、「パケット通信」と言った場合には「ある大きさのデータを、一定の大きさに切り分けて(小包にして)通信する」こと、と言えるだろう。
そして、1パケットとは、128バイトを意味する単位である。
1バイトは半角1文字に相当するので、128バイトと言うのは、単純に言うと全角64文字に相当する。つまり、1パケット=64文字という単位である。
バイトとはなんだ?
「バイト」とはコンピュータ上のデータの大きさを示す単位である。「グラム」が重さで「メートル」が長さというように、「バイト」とは「データの大きさ」を閉めるための単位である。
1kgとは、1キログラムであり、1000グラムであるのは常識である。
1kmとは、1キロメートルであり、1000メートルであるのは常識である。
同様に、1000バイトのことを1kb、1キロバイトという。
この辺の「単位」で躓いているとおそらくこの話にはまったくついてこられないものと思う。実は、携帯電話ショップのスタッフでも、1パケットは64文字ということはわかっていても、一キログラムが何グラムだかわからないというスタッフは多い。そこが理解できないスタッフには、もう丸暗記以外にしか道はないのである。
蛇足だが、1バイトというのは「8ビット」である。「ビット」というのはコンピュータ上で情報を処理する際の最小単位のことで、いわゆる2進法、「0」と「1」を示すとかうんたら・・・ もうその辺になると俺なんかじゃわからん。
なお、データを示す単位が「バイト」なのに対して通信速度は「ビット」で示されるので、「通信速度が最大100メガ」と言った際に、「一秒間に最大100メガバイトのデータ受信ができるんだ!」と勘違いされることが多い。その際の通信速度は「最大100メガビットパーセカンド」らしいのだ。
パケット通信とは
インターネットなりで通信する際、たとえばそれがメール送受信であったり、画像や音楽のダウンロードだったり、オンラインゲームやスカイプのような双方向通信、またブログや写真などを送信するアップロードだったりするんだけど、それに応じて「データの大きさ」があるわけです。先述したとおり、それらは一定の単位に基づいて計算されるわけで、「何バイトか」が重要です。
携帯電話というのは大雑把に言って2種類の通信を行う端末です。
1、通話
2、通信
です。このうち、通話料については加入している基本料金によって、何秒いくらとかの課金がなされます。「どれくらいの時間こちらからかけたか。」です。当然のことながら「かかってきた電話」は基本通話料はとられません。あとは、家族間は無料とか、ソフトバンク同士は無料とか、番号を指定して割引になったりとかする程度です。
対して通信料というのは「どれくらいの時間通信したか」デハナク、「どれくらいの量のデータをやりとりしたか」によって料金が変わってくるわけです。たとえば、10万画素の写真を受信するより、200万画素の写真を受信するほうが高額になります。また、文字だけの短いメールを受信したよりも、着うたをダウンロードしたほうが高額になります。
基本的に通信料は時間には関係ありません。
よく言われるのが「ネットに接続したまま眠っちゃって、料金が高額になってないかと心配。」というようなもの。けれど、それに対する一般的な回答は「同じページを表示したままなら一秒でも3時間でも料金は変わらないので大丈夫ですよ。」だ。
これはつまり、通話と通信とでの「課金単位」が時間か量かという違いであって、そこを理解していないとこの先がきつい。
例えて言うなら通話はネットカフェで通信はレンタルコミックと言える。
ネカフェは1冊しか読まなくても50冊読んでも「3時間1000円」だとすると、レンタルコミックは一日で返しても一週間借りっぱなしでも「一冊100円」だったりする。その大きな違いを、感覚として理解できるかどうかが重要だ。
なんでパケット通信は定額になったのか。ソフトバンク同士は通話も無料なのか。
ここの歴史もまた、知っているのと知らないのとでは知識の深さを分けるのだろうけど、疲れてきたので簡単にだけ。
「通話中」というのは、ケータイの基地局とケータイが「通信し続けている状態」である。宮川花子のように喋っていようが、無言でいようが、「つながっている」んである。音声通話と言うのは、そういうもんである。
対して「データ通信」というのは、結局のところ時間がかかったとしてもそのデータがちゃんと端末に届けばいいってこともあるし、また、通話とは違ってやりとりするデータの量(時間単位の量)が人によって差が大きすぎるのだ。
だから、特にデータ通信が増えてきた携帯市場において、やれ着メロだの写メール(笑)だのというものをヘビーに使う人が登場すると、いわゆる「混雑状態」になってしまうことがあった。
だからといって「通信するな」とは言えず、通信の量ではなく、速度を調整することでその問題をクリアしたのだ。とかいう大げさなもんじゃないんだけど。
たとえば100人の人が同時に通話できますと言う基地局を携帯会社が建てました。その地域で120人が同時に通話をすると、「混雑中」になる。つながらなくなる。ダウンさせないために規制を入れる。
でも、通話じゃなく通信なら、常にその100本の回線を120人につなげている必要は無く、小さく分けて順番に送ってあげることで問題は解決する。
その「小さくわけて送る」ことがパケット通信であり、1パケットとは、128バイト。1メガバイトだろうが30キロバイトだろうが、皆に順番に128バイトずつ送ることで、ライトユーザーもヘビーユーザーも、多数の人数であっても通信ができるようになったのである。
かくして、通信定額「EZフラット」が誕生した。WIN初号機、W11K、W11Hはまた、名機であった。
いやいや。思い出にひたる場合ではない。
通話は回線を占有する。だから定額にできない。というロジックなわけだが、時間限定ながらソフトバンクは、同士通話無料をやってのけた。これは正直すごいと思った。が、そんなに怖くは無かった。なにせ、当時のバンクのエリアったらひどかったから。都会だけじゃないのかな。バンクで満足に繋がるのは。だが、それはサスガにyahooBBにおいて日本にADSLを普及させた会社なわけで、シェア獲得が第一、インフラはあとからくっつけるというやり口で、見事シェアを伸ばした。特に脅威だったのは法人において軽くauを抜き去ったところだ。身内や取引代理店などには利益を与えず、ただただシェア獲得に邁進する姿は、「サスガ」だった。くやしかったらKDDIも真似してみろって言ってやりたかった。ドコモはやっぱり別格だけどね。
んで、だ。ぶっちゃけ、ソフトバンク同士通話無料が成立したのには、「ユーザーが少ないから」という要素が必要不可欠だった。「利用者少ないからそこそこみんなが通話しても回線パンクはないよ。」っていう状況。だからこそ、なのだ。
というわけで、夜9時から深夜1時までという、カップルなどが一番通話しそうな時間帯だけは有料になったわけであった。
仮に他社が同士通話無料にしたらおそらく常にどこかで通信障害が出るレベル。
携帯電話でのパケット通信料
なんかすでに長くなっていてこの先が心配だ。あっというまにまとめて終わりそうで。
先にも述べたが1パケット=128バイト。全角64文字。
仮に写メ一通で計算してみるか。
通常、写メで送る写真は、携帯の画面サイズくらいの写真で十分。「壁紙サイズ」かな。となると、平均的に30KBくらい。30キロバイトね。
これ、送る人は気を付けてもらいたいんだけど、今の携帯ってカメラやたらと画素数上がってるじゃん? (よくなってるとは言わないけど) やたら500万画素とか800万画素とかで撮影してそのまま送ると、相手にとってはえらい迷惑なのでやめたほうがいいよ。
そういうときには本体内とかでリサイズできるはずだからせめて100キロバイト以下にして送ってあげなさい。
で、30キロバイトの写真をメールで送ります。または受信しましたということで計算してみましょう。
30キロバイトは、何バイトでしょうか。
1キロメートルは何メートル?
1キログラムは何グラム?
30キロバイトは、30に、キロ=ゼロみっつ(000)がつくので、30000バイトです。
さあ、ここの変換が大事です。その、三万バイトを、パケットに治します。1パケット128バイトなので、30000を、128で割ります。
およそ235です。
つまり、30000バイトとは、235パケットということになりました。
で、その次に、「1パケットあたりの通信料の単価」をかけます。
通常、携帯各社、1パケット=0.2円で計算してます。10パケット2円です。そこから、上限4200円にしての定額制などの割引を適用するわけです。
なのでここは「パケット通信料の割引に加入してない」という前提で計算すると、235パケットの通信料はというと、
235(パケット)×0.2(円)=47(円)
という式が成り立ちます。
コレの繰り返しです。
たとえば着うたフルを一曲ダウンロードしてみましょう。
仮に1.5メガバイトの着うたフルだとしましょう。おそらく携帯の画面上は「1500KB」と表示されるでしょう。1キロバイトは1000バイトなので、0が三つで、「1,500,000バイト」です。150万バイト! 大きい!
というわけでその百五十万バイトを、パケットに直しますと、おそらく「11720パケット」になります。それを料金に換算すると、1パケット0.2円ですので、2,344円ほどになります。そういう世界です。
だからパソコンにつないでの通信とかは定額にできなかった
単純に考えて、携帯の小さな小さな画面で表示するデータ量と、パソコンの大きな画面で表示するデータ量では比べ物にならない。
また、携帯で扱えるデータにはやはり限りがあるが、パソコンではソフトやらアップデートやら大きなデータの送受信やらで、扱うデータの桁が4つも5つも違うというのも明らかだ。
だから、「パソコンをつないでの通信は定額ではない」のである。
もっとも、条件によってはできないこともないのであろうが、それをしてしまうと決定的に「儲からない」のも事実だろう。物理的な問題はすでに俺にはわからん。