道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

マスコミが医療者から嫌われるワケ

  凍結精子失い、妻は泣き崩れた 病院が無断で保存中止

 こういう記事をこういう見出しでポンポン書いちゃう所じゃあないですかね。
 なにが「妻は泣き崩れた」なのか。そりゃ奥さんは悲しかったしがっかりしたでしょうしその心中は想像すらしがたいですけどね。
 両者の言い分があるし、記者だって取材しながら「病院が悪い」と思っていないだろうけど、それがなんで「病院が無断で保存中止」になるのか。

 ざっくりまとめると、

 2年半前(12年12月)に、交際中だった彼女と病院に行って精子が保存されていることを確認。その時に「13年3月末までに移管をお願い」された。
「結婚まで置かせてもらおう」そう話した2人は、今年1月(15年1月)結婚、移管先のクリニックを見つけて4月病院に連絡、そしてきちんと保管されていないことが発覚した。

 ってことですよね。

 これでどうして「病院がひどいことをして奥さんを泣かせた」みたいな見出しになるのかようわからんのですよ。

 13年3月末までに移管してくださいと言われた。
 で、連絡もせず(?)15年4月に連絡したら「あれはもうダメかもしれません」ってことですよね。提示された期限からまるっと2年放置したったことでしょ? 記事によると。
 でもって記事はこう続けられるわけです。

 医師たちは「連絡がなかった。病院に責任はない」と謝罪にも応じなかった。北村さんは「大きな病院でちゃんと管理してもらえると信じていた」と話し、病院側の謝罪を求めている。

 謝罪してもらいたいんかいと。謝りもしなかったことが気に入らなかっただけなんかいと。

 そりゃ、患者さんの側が「大きな病院だからちゃんと管理してくれると信じていた」のも仕方ないのかもしれませんけど、それはさすがに勝手な思い込みといいますか誤解ですよね。言いがかりに近いというか何と言うかですよ。
「大きな病院をなんだと思ってるの?」ってことじゃないんでしょうかね。
 どれだけの患者さんをどれだけの医療コストで診ていかなきゃならないのか、そういうこともきちんと調べてまとめて、適切な利用を訴えていくのも公共の役割じゃないんですかね。

 ご夫婦にとっては残念なことだったと思いますが、新聞がこういう書き方をして患者と病院の対立を煽っていく以上、医療側がメディアに心を開く日は来ないと思いますよ。