道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

電気屋嫁ブログがなかなかおもしろかった

  これ

 先日知ったこのブログ。なんとなく眺めてみたらいい出来だった。
 ゆるい。ゆるいよ奥さん。
 これが電気屋の看板を背負っているところがポイントであって、電気屋の情報を欲しがってる人とは対局のところにいる人に向けての記事として、ちょうどいいところで書かれているってことです。
 電気屋さんとか電化製品についてわざわざネットで見るような人たちってのは、カカクコムのレビュー欄にいるような人みたいな感じであって、じゃあその人たちが現実に街の電気屋さんの客として存在するかといえば、そんなのは客としてカウントの対象外なわけです。
 街の電気屋さんの9割5分は、電気のど素人であって、そのうちの8割ぐらいは主婦だったり女性だったりするわけですよ。その人たちと街の電気屋さんとをつなぎたいという目的こそが、インターネット上の販促(この場合はブログ)として最適なわけです。

 余計なこと言いますけど、素人だけど詳しい人っていますよね。カカクコムのレビュー欄にいるような人。確かに機種とかスペックとか価格とかについての知識はあるんですけど、じゃあその知識をどうやって活かすのかっていうことについてはやっぱり素人の域をでないんですよ。または単体でのスペックに縛られて、情報を総合的に判断することの経験は乏しいと言わざるを得ない。というか、「その客にとってどの商品が最適であるかどうか」というのはその人の生活の中から材料を探してきて総合的に「これとかこれとか」という提案をする能力であって、それだけの材料をかき集めることができるかどうかというのが、素人とプロの違いだと俺は思ってるんですよね。この場合のプロってのは販売だったり営業だったりのプロです。

 そういう意味で、街の電気屋さんというのは一人一人のお客さんの家の中に入り込んでいくわけですから、客から聞き出す以前に情報を持ってくれている、だからど素人でも安心して相談に乗ってもらえるというメリットがあるわけです。この情報の共有(というかほぼ一方的に電気屋さんにおまかせしている)というのは、一万円ぐらいの価格差ではお釣りがたくさん来るほどの価値であるんです。
 それが逆の立場に立って店側からすると、「売りやすい」んですよ。この人の家の状況、または生活スタイルであれば「この商品がいいな」というのが手に取るようにわかるんです。あとはメリットとデメリットを並べて納得してもらえるかどうか。で、問題は既存の顧客であればどこまで身近に感じてもらえるか。新規の顧客であれば一度来店してもらえるか。という点がハードル高いんです。
 お店というのは、「用事がなくても立ち寄ってもらえる」というのが理想系だと俺は思ってます。もちろん、長居をするべきではない場所なんですけど、ちょっと寄ってお茶でも飲みながらくっちゃべっていってくれるなんて、喜ばしいことであって邪魔だの迷惑だのと思うことはまずないです。
 お店をやってる以上、常に新しい情報が入ってきます。ユーザーにその情報に触れてもらう機会を店員というのは常に欲しています。売りつけるではなくて、必要であればそっと教えてあげるという感じです。

 話逸れてる。
 そーゆーふうに思ってるわけですね。お店の人というのは。で、その相手というのは詳しい客ではなくて、ど素人の客なわけです。
 つまりこの嫁ブログは、電気屋の敷居を低くしたくてしたくてたまらわないわけですよ。俺はそれを読んでいて「ほんとですよみなさん、行ってあげてくださいね」と思うわけです。ほんとにただ寄ってくれたら嬉しいんです。電気の話しなくていいんです。

 で、ですねこの奥さん。頭いいなあって思うんですよ。
 電気屋主婦ブログなので文章ぽくなく自然体で書いてるんだろうなーってのはわかるんです。これなら若い主婦の奥さんも読めるし、電化製品についても抵抗なく入れます。だけど、それなりの知識ある人間が読んでもちゃんと読めるんですよね。
 商売ですからと言われてしまうとそれまでなんですけど、この内容とあれだけ絵文字使うとmixi日記みたいなぶっちゃけ「読みにくい」ものになるんですけどね、そうなってないんですよね。整然としてるというか。
 ゆるさ加減もちょうどいいんですよねー。ソフトクリームってやわらかいけど崩れないじゃないですか。でもやわらかくてそれ以上柔らかくするともう溶けちゃってぐだぐだにべちゃべちゃになりますよ。みたいな。そのへんのゆるいけどやわかくないみたいな。

 抑えるとこ抑えてるっていうんですかねえこういうの。俺にはとーてい書けないのでちょと嫉妬もあるんです。昔、月二回の会員メール作ってた時も、制限文字数以内に収めるのが大変だったし、テキストばっかりで「絵文字とかもっと使ってください」とかいつも怒られてたぐらいですから。

 さて。最後に。
 お店ってのは、「ご来店ありがとうございます」なんですよ。「買ってくれてありがとうございます」じゃないんです。買わなくてもいいんです。他の選択肢もある中、わざわざ当店をお選びいただいて「ありがとうございます」なんですよ。
 店を構えるということは「待ち」の営業なわけで、いくらいい仕事をしようとも、おもてなしをしたくとも、客が来てくれないことにはなんにもできないわけです。だからこそ「ご来店ありがとうございます」なんです。
 
 ですから、恐れずにどんどん行きましょう。お店にね。