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道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

ネズミフライ

 ええとですね。ちょっとショッキングなことがありまして。何からお話していいのやらなんですが、文章はまず結論からってことで結論ですが、

 天ぷら鍋の中にネズミが飛び込みました

 ええもう。それだけです。それ以上に語ることはないです。あまりにネタすぎて、出オチです。
 揚げ物中の天ぷら鍋です。そうです。はい。経緯だけはご説明します。


 何日か前のこと。
 いつもの通り夜9時に帰宅しました。次男は2階の寝室でDVD(多分マジレンジャー)を観ていて、長男は居間でテレビを見ていました。台所で奥さんが俺の夕飯の準備をしてくれてました。
 俺は着替えたりしながら台所で奥さんと話をしていました。奥さんはガス台に向かっていますので、背中に向かって話しかける格好です、他愛ない、いつもの光景でした。

 そのとき、換気扇がくるりと一回転ほど動いたのを視界の中に捉えていました。風の強い群馬では動かしていない換気扇が外からの風で動くなんて珍しくもなんともないので気にもとめませんでしたが。
 次の瞬間でした。聞いたことのない声を、奥さんが発しました。

 「ゴウア!」
 「ヅグウ?」
 「ドゥワ!」

 何かそんな感じの、とんでもない声で、いわゆる悲鳴ってやつでした。俺はまあ、その状況でそんな悲鳴を上げるってことは相当のことで、ガス台の後ろにネズミでもいたかな? って思いました。なにを冷静にって? だってその前日ぐらいにそこでネズミを見たからですよ。

 「えなに。ネズミでもでた?」 って言おうと思いました。思ったんですが、言うより早く奥さんがこっちにむかって突進してきました。右手には菜箸を持ったまま、ドタバタと。その際にも
 「ヒャッヒャッヒャッヒャッハー!」
 的な悲鳴は発していたと思います。

 一直線に俺のところに走ってきて、と言っても狭い台所ですから3、4歩くらいですけど、俺にタックルをかましました。抱きついたと言えばかわいげがあるところですが、あれはタックルです。だって、俺が胸で受け止めた後も下半身は前へ前へとがぶり寄ってきたからです。
 「ヒャン! ヒャン! ヒャン! ヒャン!」
 などと意味不明なことを叫びつつ、グイグイ腰で俺のことを押してきます。

 しばらくそうしてまして、おもちゃのぜんまいが切れるのを待ってから「なになになによ?」と聞くと

 「ネズミがー!」 やっぱりです。
 「揚がったー!」 あ、揚がった!!??

 天ぷら鍋の中にネズミが潜んでいて、それに気づかずにヒレカツをフライしてしまって熱くなってネズミが飛び出してきたのかと思ったんですがそうじゃなくて、「カツを揚げていたら突然ネズミが鍋の中に飛び込んだ! そんで慌てて飛び出してった!」ってことらしいです。そう。だからおそらく換気扇のところから足をすべらせたんでしょうねー。

 「逃げたの? どこ?」
 「そこー・・・・」 

 なんと床、奥さんの足元になんかずぶ濡れのネズミが横たわってまして、ガス台からそこまで点々と油で床が汚れています。

 つーことは、ネズミ的に言うと
 「あ。あぶね! 滑った!」 ツルン → ボチャン → ジュワー
 「アツ! あっつ! アッツウ!!!」 ドタバタ → ぼとり → ズルズルズル
 「あ。あかん。あかんわ。。。」 ドサリ
 って感じだったわけですよ、きっと。

 これはグロイ。猿も木から落ちるってのは本当なんですねー。壁を真横に走るネズミが落ちるとは。
 
 奥さんにしてみればまさかカツ揚げててそこにネズミが落ちてくるとは思わないし、そいつが鍋から這い出して逃げるとも思わないですわな。しかもそのネズミは鍋から這い出したあと、必死に奥さんと同じ方向に逃げたそうです。つまり奥さんは怖くて俺のところに抱きついてきたのではなく、ネズミから逃げようと必死だっただけなんですね。
 だから、俺の胸に飛び込んできた、ではなくて、逃げようとしていたのに俺が邪魔だった、ということだったらしいです。道理で下半身の動きが止まらなかったわけですね。納得です。

 ネズミさんはそれでも逃げようとしていたのですが、なんというかそれなりに対応させてもらいました。手負いの獣なので怖かったですが頑張りました。
 なんというかみんなにとって不幸な事故だったんですが、それでも、奥さんがびっくりして天ぷら鍋をひっくり返さなくてよかったとか、ネズミが逃げるときに油がなにかに引火したりしなくてよかったとか、そういうことはほんとに安心しました。こういっちゃなんですが、たかがネズミごときで火傷や火事なんていう事態に陥るのはいやですからね。
 でもそう考えたら、ネズミもこわいなーって。一歩間違ったらパニックになった奥さんが油を全身に浴びてもおかしくないですよね。そしてその場に子供でもいたら、、、なんて。やけどはこりごりです。

 不幸中の幸いにもそういうこともなく、奥さんは腕に小さく火傷しましたけど、俺は無傷でした。ですがなんかげんなりしてその日は夕飯食べずに寝ちゃいました。
 「カツ揚がっってるけど食べる?」
 とは聞かれましたが断りました。ネズミと一緒に揚がったものはちょっと、ね。

 なので全国の奥様がた、揚げ物をする際にはネズミに十分ご注意ください。
 ウチの奥さんが言うには
 「ジューって音がした」そうですから。