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道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

マイナンバーカード発行手続きに市役所に行ってきたら個人情報大丈夫かととても不安になった

 12月にネットで申し込んだ。マイナンバーカード?

 3ヶ月経ってようやく、できましたよー、っていう葉書が来た。市役所まで取りに来いとかなめてんのか!と思いながらも行った。
 市役所に着くと、特設コーナーがあるのでそこに行けと言う。急ごしらえの見通しのいいスペースを衝立で仕切った場所に受付のテーブルと待ち合いのパイプ椅子。
 市民の姿は数人。職員が数名、何かに取り憑かれたように忙しそうに手続きを促す。

 番号札を取れ、通知カードは持ってきたか、身分証は免許証があるか。よしでは座れ、みたいな。
 待ち合いの椅子に座るとその職員がA5くらいのペラ紙を持ってきてこう言った。

「じゃあここに暗証番号を書いておいてください。4桁の数字と、6桁以上の英数字の2種類お願いします」

 は? 暗証番号? 書くの? 紙に?

 まあ、手続きを迅速に進めるためには必要な措置なのだろうから書いたよ。突っ込むの面倒だし。

 すると受付の机に案内されて書類を確認され、次の待ち合いに。すぐに発行手続きの窓口になってた。
 いかにも市役所職員ですっていう中年の不愛想な女性が受付てくれて、机にはでっけえ液晶モニターが設置されてた。
 席に座るなりマイナンバー通知カード(最初に郵送されてきた、マイナンバーが書かれたペラい紙)と免許証を渡す。免許証コピーしますと言われる。暗証番号の紙はまだ渡さない。
 
 驚愕の瞬間は静かにやってきた。
  
 落ち着かない職員の手続きを眺めていると、それは唐突だった。
「それじゃここに暗証番号を入力して下さい」
 とその職員が言ったのだ。
 え? 入力? 俺が入れるの?

 目の前に置かれた20インチはあろうかというでっけえ液晶パネルはタッチ式で、いつのまにかそこに、暗証番号を入力する欄と、テンキーが表示されていた。

「え? 俺が入れるんすか」

 と、驚きましたよ! という感情をたっぷり込めて言ったつもりが、見事なまでにスルーされ、「お願いしいます」とだけ返された。なんという能力の高さ。普段どれだけ市民の苦情に付き合わされているのか垣間見えた瞬間だ。
 俺はつい先程自分が決めて、用紙に記入した暗証番号を見ながら、タッチパネルを操作する。
 暗証番号入力欄はそれぞれ2つずつあり、入力用と確認用。つまり間違えがないように二回入力するよくあるタイプになっていた。俺は内心、マジかよやばいよやばいよ、と思いながら数字4桁の暗証番号を入力する。

 するとどうだ。画面の暗証番号欄には、ご年配の方にも見やすくくっきりと、おそらくMSゴシックで俺が入力した数字がリアルタイムで表示されているではないか。

「まじで!」

 声が出た。声が出たよ。俺が「1234」と入力したら画面に「1234」と表示された。「****」じゃなく!
 ご丁寧にくっきりはっきり大きな文字で2回表示された。暗証番号が。俺は戸惑いを隠さなかったけど、職員のスルー力はおそらく53万で、無言のまま「早く入れろよ」と訴えてくる。
 続けて下段の、英数字のパスワードを入力するもやはりくっきりはっきり文字で二回とも表示されている。
 これがいきなり丸ゴシックとかになっていたらクスッと笑うところだけど、やはりゴシックだ。
 俺は諦めの境地に立ち、暗証番号を入力し終えて職員にバトンを渡した。

 つうかさ、自分で入力するのって、職員に暗証番号を伝えなくてもできるようにだろ? そういう配慮してるからだろ?
 だけどそれ、後ろの人達から丸見えなんだよね。待合椅子がたくさんあるってことは当然、後ろに人が並ぶってことが想定されていて、その状態で、なにそれ!ッて感じ。
 ペリー並に言うよね「ナニをそれで表現しようとしてルノ!?」ってさ。
 

 その後いくつかの説明を聞かされて、無事マイナンバーカードは俺の手元にやってきた。
 手元にはマイナンバーカードと暗証番号の書かれた紙だ。
 じゃあお疲れ様でした、みたいに言う職員に「え。これ持って帰るの?」と聞いた。おもいきり驚いてみた。
 しかしスルー力はびくともしない。

「そうですね。メモとして保管しておいてください」
「いや、いやいや。じゃあシュレッダーありませんか」
「ありません」

 俺は席を立った。
 帰り際、一階の受付に立ち寄って「すみませんシュレッダーありませんか」と聞いた。有ることは知っている。暗証番号が書かれた紙をシュレッダーしてほしいのだという無言の訴えだ。しかし、市民が使用できるシュレッダーはないという返答だった。

 そうか、と自宅でシュレッダーにかけた。

 マイナンバーに関してはもうずっと管理の面が不安視されていて、運用前からトラブルも頻出していて運用してからもまあ色々出ているわけですよ。それ自体は仕方ないと思っている部分もあるんだけど、それにしても、普段個人情報の取り扱い専門店、個人情報百貨店であるはずの市役所職員、中でもマイナンバーカード発行業務に携わる人たちが、この程度のリテラシーなのかっていうと、流石に俺も叩きたくなるんですよね。叩きたいって言うと言い過ぎですけど看過できないレベルだと。

 それともう一つ、それは直接この件に関係ないんだけど、そのスルー力の高い職員のリテラシーの低さというか、そういうのがあってそれでもうほんとにこれはダメだと思って。
 市役所の職員とかってIDぶらさげてるじゃないっすか。首から名札? みたいなの。その職員もそれをぶら下げてて、そしたらその透明の名札ケースの中に何かメモ入ってるなーと思ったんですよ。別に見ようと思ったわけでもなくちょうど目の前にぶら下がっているから。
 そしたらそれ、おそらくシステムのIDとパスなんですよ。手書きで「admin:〜〜〜」とか書いてあったので。
 それがどのシステムかとかはまったくわからないけど、その状態でもう、ああ、もうこりゃダメだと。

 全力でいかりや長介的にダメだこりゃとなって俺は後にしてきたわけです。市役所を。
 どうか大きな問題が起こりませんようにと。