道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

色弱の話

 小学校時代に、なにやらカラフルな点々の並ぶ絵本のようなものを見せられる行事があった。
 先生の机の横、黒板の前に並んで一人ずつそれを見ていく。
 俺の前に並ぶ友達たちは、なにやら数字を答えては自席へ戻っていく。俺は順番を待つ。どうやら皆、同じ答えを言っているようだ。
「なんだそんな簡単な問題なのか。そんなものやる意味あるのか」
 そんなことを思いながら、自分の番を待つ。

 自分の番になって先生の机の上に開かれた本を見て唖然とする。ぽかんとする。
 意味がわからないのだ。

 そこには何も書かれていない。足し算も引き算も、いや、数字さえ書かれていないし、漢数字も書かれていない。
 ただ、絵本のように、カラフルな模様が描かれているだけなのだ。

 ついさっきまでみんなが答えていたその問題を、クイズを、先生、早く出して下さい。
 そんなことを考えながら小学生である俺は「わかりません」すら答えられない。
 なにが問題なのかすらわからないのだ。なにを答えていいのかすらわからないからだ。

 小学校時代何回かそういう検査をしたような気がする。その時間が俺は苦痛だった。
 みんなが順番に同じ数字を言うだけの簡単なお仕事。一人あたりほんの数秒の簡単なお仕事。
 それが俺の番になると、数秒が数秒でなくなるし、それまでリズムよく同じ数字が小学生によって読み上げられていた時間が、途端にリズムが悪くなる。リズムが止まる。

 色弱、というやつだと思う

   
色弱の僕がとりあえず困ること


これを読んでそんなことを思い出した。
 実際生活の上で困ることはない。赤信号も青信号もはっきりわかるし。
 
 ただ、リンク先にあるような、青色を紫で塗っちゃう、みたいなことって、色覚異常の話でよくあるんけど、ほんとにそうなのかなって思うんだけど、どうなんだろ。
 その場合、見えてるお花の色が実際は青で、その子には紫で見えているとすると、その色を塗るときに選択する色はその子的には紫の絵の具イコール青の絵の具を選択するんじゃないの? ってことは素朴な疑問として思っていて、どうなんだろうか。と。
 ほんとに素朴な疑問すぎて調べたことも考えたこともないけど。

 そんな俺が実生活で困ったことがあって、それは本当に不便で困ったことで、赤と黒がわからないんですよね。これって何ていうの?
 ちなみに、リンク先の模様の見え方は、主さんとほぼおなじ。
 で、赤と黒がわかりにくくて何が困るかというと、学生時代の寮の玄関にある、モンカンと呼んでいた在不在を示す札でした。出欠札、みたいなやつです。
 寮生が寮にいる時は自分の札を黒にして、外出するときには赤にします。
 そうすることで、来客や電話がかかってきた時などに呼び出すか不在を告げるか、などと判断したりするわけです。

こんな感じのやつです

  

 寮の電話がかかってきた時に、この札を見て、黒なら呼び出す、赤なら不在を告げるのだが、それが分からない。
 昼間はまだしも、夜の暗い時間になると、札のところに行って、いちいち表裏を見比べて、そして赤か黒かを確認しなければならないのだ。
 一年生の時は交代で夜の電話当番があったので本当に苦痛だった。間違えて先輩を呼び出したり不在にしたりしてしまった日には命が危ないくらいの世界だ。

 これは本当に困った。今でもこれはわからない。
 赤のボールペンで強調してくれているつもりだろうが、俺には別に黒字に見えてしまうということ。これはほんと、困る。

 これって色弱だからだと思ってるんですけど、それで合ってます、よね?