道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

悪夢にうなされた

 高速道路を走っていた。
 関西方面にさしかかろうとする土地で、長いトンネルへと車をもぐらせる。
 後部座席には家族が乗っていたと思う。
 トンネルの中ほどで、サービスエリアに入った。特に違和感がなかった。

 海が近い土地なのか、サービスエリアの中には釣り堀のようなものが設置されていて、大勢の人で賑わっていた。
 大型バスの観光客もたくさんいた。

 俺たちはその釣り堀でどじょうを三匹釣り上げなければならなかった。
 なぜならばそのトンネルを通行するために必要だったからだ。

「通行券を持っている方はどじょう、持っていない方は味を3匹釣ってください」

 というのがどうやらそのトンネルのルールのようだった。
 特に違和感がなかった。「そうなのか」と思い、水際で遊んでいる子供たちのそばへ、釣り竿と網を持って歩いて行った。
 波打ち際のような場所に降り立つと、水の中にはたくさんの魚がいた。どじょうもいた。いたのだがそのどじょうはどう見てもうなぎだった。うなぎなのだがそのどじょうをとにかく3匹釣らなければならないので、俺は釣りの準備をしたし、その時俺はうなぎだとかなんとか思うこともなかった。
 その時だった。そのどじょうという名のうなぎが水の中から飛び跳ねてきた。音はなかった。そのまま、そのうなぎのようなどじょうは俺の脚に噛み付いた。うつぼのような顔で。

 俺は、トンネルを通行するための通行券を持っていたからアジではなくどじょうを釣ろうと思い波打ち際に立っただけなのにいきなりうなぎのようなどじょうにウツボのような顔で脚を噛まれた。痛くはなかった。そのどじょうはアゴの部分をつまむと洗濯バサミのように口を開くことがわかったので簡単に足からはがすことができた。
 俺はそのウツボのような顔で噛み付いてきたうなぎのようなどじょうを足から引き剥がすと水(もはやすでにそこは海だった)の中に戻し、釣り糸をたらしたり網ですくおうとしたりした。

 一匹も釣れなかった。

 仕方なく俺はどじょうを諦めアジを釣ることにした。冷静な判断だと思う。
 アジという魚について詳しくはないがあれはどう見てもサケかマスだと思う。でかかったのだ。

「これを三匹か」
 なんとなく絶望したようなことを覚えている。
 もちろん一匹も釣れなかった。
 それから仕方なく車に乗ってトンネルを走り始めたが、いつの間にか俺は大きなホテルの中でエレベーターに乗ってさまよっていた。

 昼にいただいた、海辺の町のお魚料理があまりに美味しかったのでこのような夢を見てしまったのではないかと、いまになると思う。