道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

橋下市長大勝利

 大阪都構想の是非をめぐる住民投票が行われて結果が出たらしい。

  大阪住民投票 反対多数 都構想実現せず(NHKニュース)

 結果は僅差で反対票が上回って大阪都構想は反対ということになりました。ただこれ

▽「反対」70万5585票
▽「賛成」69万4844票

 だそうです。わずか10,741票差。有権者がおよそ211万人らしいので投票率も66%近いです。
 140万票のうちの1万票差ですからね。まさに大阪市を二分した住民投票だったということが証明されました。

 で、橋下大阪市長は政界引退を表明したということになりました。
 俺は群馬県民なので大阪都ができようが大阪市のままだろうが本当に関係なくて、どーでもいいしこの投票のことを知ったのも今月に入ったぐらいからなんですけど、俺が観測してる範囲では圧倒的に反対が有利でした。というか賛成する材料が見当たらないといった具合。
 しかし、事前調査をしてみたりするとかなり拮抗しているということで、終盤になって両陣営とも大掛かりな活動を展開していたようです。結果話題も大きくなって、最高の注目度を集めて当日を迎えたようです。
 結果、推進してきた橋下市長は本当に惜しくも敗れました。

 これですね。賛成してる人の多くは「大阪市このままではあかんねん」みたいな真剣な思いの人が多いですよ。きっと。
 それから改革を求める人。維新を支持しちゃうような人です。
 逆に反対してる人は「橋下嫌い」がほとんどじゃないでしょうかね。俺もその1人なんですけど。いくら良い構想であっても、大阪市をよくするという目的のための、極端ではあるが効果的かもしれない手法である、と熱弁されても、あんな嘘つきでいい加減な人をトップとする改革に賛成することはできない、と思っています。

 だから、この結果を見て一斉に「橋下ざまあwwww」みたいに言いたくなる気分はわからなくもないです。
 「政界引退www 負け惜しみwww」とかね。言いたいですか? そうですか。

 俺ねー。これはでも橋下さんの一人勝ちだと思うんですよ。
 なによりこの結果。ほぼ引き分けですよ。そこまでたった1人で世論を動かした。たった一人の活動家が扇動して知事になって市長になって、そこまでは多くの人がやってきました。タレント知事も多い大阪。芸能人から地方の知事になって地方自治を訴えたそのまんまなどたくさんの過去例がありますが、ここまで正面切って改革を打ち出して、住民投票までこぎつけて、挙句すべての政党からの反対にあって、その上で引き分けですからね。
 これはもう、橋下冥利に尽きる、というところでしょう。

 彼の目的は大阪都でも、日本を良くすることでもなんでもなくて、自分が目立つことです。根っからの野党党首なんです。
 与党になったら困るんです。反対するのが彼の生き様なんです。
 大阪府知事大阪市長という立場にあったから、大阪都という構想を利用しましたけど、それじゃなくてもいいんです。彼は今後も何か大きなものに反対し続けていくことでしょう。
 聞こえのいいことを大きな声で言って、批判して、「その通り」と言われて彼は喜んでいくのです。

 彼の唯一の長所である「面の皮の厚さ」は、自分が批判される場面で最大に発揮されます。そのためにはより強大な勢力から批判される必要があるんです。それにふさわしいポジションを彼はもう手にしました。
 肩書が弁護士に戻ろうが無職だろうが、彼はこれからも巨大な何かを批判していくことで、活力を得ることでしょう。

 どのような神輿であれ、大きければなんでもいい、彼は神輿の上で踊り続け、担ぐ人を煽り続けていくことでしょう。

 大阪都を実現しなくて済むわけだし、政治家も辞められるし、責任もとらなくていい。
 彼にとっては最高の形の敗戦であって、引き分けであったと思っています。