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道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

ケータイのお値段の話

ケータイ

  auショップに現れた「iPhone 5s MNP一括0円」案件の契約方法がテクニカルすぎた件

 これ読んだ。
 おはようございます。
 確かにテクニカルだなーと思った。昔業界にいた者にとってはどの辺がテクニカルかというと、それを公式ツイッターで釣ってるところかな。キャリアとしては「内容まで書いてるわけじゃないので咎められない」というところかと。

 さてそれはともかく、これに反射的にブコメしたところめずらしくスタースターでしたので俺の知っていることをいくつか書く事に需要があるのかもしれないと思いました。
 ブコメはこんな感じ

なんかこのiPhone騒ぎを見てると、一刻も早くシムフリーを実現させるべきだと思う。もう、キャリアには端末に関わらせない方がいい。キャリアが端末価格を負担し続ける限り利用料が安くならないだろうが 2013/10/03

 ブコメのURLわからん。

 言いたいのはSIMフリーではなくて「キャリアが端末価格を負担している」というところです。
 SIMフリーについてはもう何年も前から総務省が言っているところですから粛々と進めてもらいたいと思っていますが、現状どうなってるんでしょうか。

 最初に断っておきますけど俺が知っているのはもう何年か前の話で現在も同じような体系になっているかどうかはわかりません。

 ケータイって一台いくらくらいするかってことなんですけど、大体、4万〜7万くらいだと思います。これはガラケーの時代からそうです。かんたんけーたいでも、ジュニアけーたいでもデザインけーたいでもハイスペック端末でも、この範疇に収まります。
 特に今は割賦販売になってますから、割賦総額5万〜7万くらいになってますけど、大体そんなもんです。
 これが、代理店がキャリアから仕入れる時の仕入れ値だと思って間違いないと思います。
 キャリアがメーカーからいくらで買ってるのかはわかりません。キャリアの営業マンは、代理店に端末を売ってなんぼの世界だと聞きますから、おそらくはそれよりも安い値段で仕入れて代理店に卸していると思います。

 代理店というのはつまり、「○○ショップ」です。○○にはドコモだったりエーユーだったりソフトバンクだったりという単語が入ります。

 話を単純にするために、一台6万円の端末がどう売られているかについて話をします。

 ショップは、aiphoneという端末をキャリアから6万円で買います。発注して納品された時点で請求されます。6万円の品物を仕入れたわけですから、ショップとしては6万円以上でお客に売らないと赤字になってしまいます。
 65000円で売れば、ショップの利益は5000円になります。月に100台aiphoneを売れば50万円の利益です。これはいい商売です。

 ケータイショップにおける端末の販売というのは、基本的にはこの仕組みです。そうしてショップは販売での利益をあげていきます。
 販売以外でも利益が上がるわけなんですが、面倒なので割愛します。
 ただ、今は割賦販売になってしまいましたので、販売価格をショップがいじることができなくなってしまいました。以前なら、65000円の販売価格を、62000円にして、利益を3000円削っても販売台数を稼ぐという手法が取れたりしていました。ショップにとっては端末を販売することのメリットは販売による現金利益よりも大きなメリットがあったからです。
 しかし今は割賦金がキャリアによって定められており、かつ一括での購入者は少ないため、販売価格によって競争することはできないと言っていいでしょう。

 そこで出てくるのが「一括購入の促進」です。
 なにも店頭における現金収入がほしいというわけではなく、上で言ったように一括購入でないと価格のいじりようがないからです。ですから「割賦総額65000円なのに、一括0円」みたいなおかしな話が登場するわけです。
 そのからくりに関してはリンク先に大体書かれている通りかと思います。テクニカルと言えばテクニカルです。

 で、その、キャッシュバックだの値引きだののお金の出処が問題だと俺は言っているわけです。
 今特に手厚くもてなされるのが「MNP」の人です。もばいるなんばーぽーたびりてぃです。他社から番号そのままに新規契約してくれる人のことです。MNPがなぜもてはやされるかというと、他社のユーザーが確実にマイナス1になって自社にプラス1になるからです。桜木のリバウンドみたいなもんです。ですから、三度の飯よりシェアが好きなキャリアにとってはMNPはほしくてたまらんわけです。
 
 だから、お金を払ってでもMNPは欲しいと思うわけであって、実際にキャリアがお金を払っているわけです。
 さっきの話で、60000円以上で売らなければならないはずの端末を、60000円以下で売るということは、赤字です。企業である以上赤字はいけません。誰かがその分を埋めているのですが、それは端末を売りたいショップではなく、キャリアが埋めているのです。
 「奨励金」というやつです。

 キャリアは、60000円で端末をショップに売るわけなんですが、ショップがそれを客に販売(契約)した時点で「販売奨励金」というのを支払います。10,000円から30000円程度です。新しいものは奨励金が低く、古いものになれば奨励金は高くなります。
 奨励金が高い=販売価格が低いということです。
 30000円の奨励金では差額が30000円残り、それでも感覚としては「高い」と思ってしまう人も多いですが、そこに登場してくるのが「新規獲得奨励金」や「MNP奨励金」などです。機種変更ではなくて新規契約の場合にはさらに10,000円払いますよ、そしてさらにMNPなら20000円払いますよ。だから、安く売ってくださいね! ってことです。

 繰り返しになりますがこれは、「キャリアが、ショップに対して支払うお金」です。

 よくショップなどで「30,000円キャッシュバック」などと書いてありますが、あれはショップがお金を払っているわけではなくて、キャリアからもらっているお金を流しているだけに過ぎません。また、キャリアは「これだけお金を払うわけですからちゃんと売ってください」とショップに言うわけです。

 ちょっと話がそれますが、例の60000円の端末の件ですが、この仕入れ値というのは新発売時期だからとか、古くなってきたからということで変動することはありません。 販売価格がいくら下がったところで、ショップが仕入れている値段は同じです。変動しているのは「奨励金」です。よく「新規0円端末だから壊れても仕方ない」的な、安いものだったからモノも悪い、ような言われ方をしましたが、まったくそうではありません。安いのはモノが悪いからではなく、このようなからくりによるわけです。

 さて、ここまでで「キャリアが端末価格に関わっている」ことがわかったと思うんですが、いやほんとにわかってほしいと思って書いているならもうちょっと整理して書いてもいいんじゃないかと思いますがこのブログにそんなことを期待しても無駄無駄無駄です。

 ちょっと言ったように、ショップは赤字にならない仕組みです。ですが、キャリアが赤字になるのはいいのかと。1台あたり数万円の身銭を切ってまで販売して、そんなに金が有り余っているのかということになりますが、いくらキャリアでもそれはないです。

 「じゃあ、誰がその赤字を埋めてるんだよ!」

 ということになるわけです。そうです。これが言いたかったんですよ。

 それは、あなたです。
 ユーザーです。

 基本料だったり通話料だったり通信料だったり、その毎月の使用料の収入によってキャリアは収益を得ているわけであって、それによって、その赤字、奨励金を支払っているわけです。
 割賦販売が開始された頃、基本使用料は下がりました。確かに端末価格を適正に戻して使用料を低くするという流れになりそうでしたが、競争はあさっての方向に向かっているでしょう。結局端末価格に対して値引きが始まり、キャッシュバックだの毎月の料金を割引きますだのしていて、「総額」で見た場合には安くなるどころか高くなっている。
 つまりは、ユーザーの月々の使用料金によって、赤字を埋めているというわけです

 MNP契約が欲しい → お金を払う → お金がかかる → 毎月の収入を確保したい → 二年間使ってくれればもと取れる → 二年縛り → 解約した場合は違約金

 というわけなんですが、問題は、それが端末を安く購入したりしていない人にも同額の月額使用料を要求し続けることにあります。
 携帯電話会社にとって最も優良な顧客は、同一端末を長期間使い続ける人、です。同じ機種を5年も6年も使ってくれる人こそ、キャリアは大事にしなければならないはずなのに、MNPだか新規だかわからないですけどそれを獲得するための広告料や端末代金を確保するために、長期利用ユーザーへの優待は厚くなりません。
 最近でこそ機種変更優遇措置がだいぶ充実してきていますが、これも第一義は「流出防止」でしかなく、長期利用への感謝の表れではありません。

 imodeすら崩壊した今、ケータイキャリアは端末やポータルなどはすっぱり諦め、より良い通信を安定して供給できることに集中し、それに見合う対価を得るという、基本に立ち返った商売をすることが、ユーザーに求められていることだと思います。

 長くなったような気がしますが以上です