道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

有給休暇に「異議あり!」とか言っちゃう経営者って、働いたことないのではないかと思う。つーか、そんな経営者いねーよ、と思うでしょうがいるんですよ。

 「異議あり! 有給休暇」

 という記事。仙台市のビック・ママという会社の、守井 嘉朗 さんという方の書いた記事らしいですよ。社長さんらしいです。

 もうね、アホかと。
 この人は、有給休暇は「働かなくてお金がもらえる」制度で、それを「労働者の当然の権利」とか言われると「ありえない」と思う人なんだそうですよ。社長やめろ。
 そして、

 僕は、こういう制度をつくったのは、人を雇って商いを回している企業経営の実態を知らない事務方の人だと思います。僕らのように店頭のスタッフのスケジュール管理で必死になっている現場の苦労とは、程遠いところで考えられたひどい制度だと思います。

日本の経済はかつて世界でNO.1と言われ、同時に労働者は働き過ぎとも言われ、その結果、労働者を守る色々な制度ができました。そして人々の意識はあまり働かない方向に変わってきました。その結果が、現在の日本です。

 この人、社長として、ありえないと思おうがなにしようが勝手ですが、従業員の有給はきちんと認めてやってるんですよね。「そんなことしたら労働基準監督署に怒られちゃいます。」とか書いてるくらいだから有給は取得させてるんでしょうね。
 よもや、「僕は経営者としてありえないと思う制度を積極的の導入するつもりはないんです。」と言わんばかりであれば、「店頭のスタッフのスケジュール管理で必死になっている」のはむしろ当然なんですが、気づいてるのかなー。

 それとも、人間はみな、お給料もらって働く以上は必死になって仕事のことだけを考えて暮らすとでも思ってるのか? 病気になる意外に休みを取る都合なんて、働いている人間にあるはずがないと思っているのか?
 ちょっと考えればわかることなんだけど、なんで有給休暇ができたかって、平たく言えば、こいつみたいな経営者や管理職がいて従業員が休むことが「悪」とされる風潮が生まれてきたからだろうが。それくらいのことすら考えないから「異議あり!」とか叫んじゃうんだよ。

 人間生きてりゃいろいろなことがある。友達や親戚の慶弔もあるし、旅行に行くことだってある。とても大切な人に会いたいことだってある。子供の学校の行事だってある。自分以外の家族や大切な人が病に倒れたりもする。
 いつもいつも仕事を第一にしてられないだろーが。そういうことをきちんとこなせることが「豊かな人生」になっていくんだろうが。

 そういう、従業員やその家族の幸せを願うこと、それこそが経営者がもっとも大切にしなきゃいけないもので、そういう気持ちが社会への責任をはたすことにつながっていくんじゃないの? そんで、そういうものを制度として保障しましょうよというもののひとつが、有給休暇なんじゃないのかね。
 給与はもちろんですけどね、有給などの制度も含めて保証しますから、「うちではたらいてもらえませんか?」っていうのが経営者の姿勢じゃないの? なんでその、「仕方なく休みをくれてやってる」みたいなものの言い方になるのよ。おかしーよ。

 守井社長はこう締めくくる

国の未来を明るく変えるためには、全ての人が一生懸命働かなくてはならない。単純にそう思うのです。

働かなくても守られるのではなく、働いてより多く得られるようにする方向に社会制度と人々の労働観を変えていかなければ、日本に未来はないと思います。

 単純に、お粗末だ。(ほんとはバカだとか言いたいが自重)
 全ての人は一生けん命働けない。揚げ足取りではなくて、経営者としての言葉のセンスがなさすぎる。それはともかく、有給休暇は「働かなくても」とかケチをつけられる類のものではない。すべての労働者が一生懸命働いていけるように、有給休暇などの制度をきちんと企業が守っていくことが、未来を明るくするために重要なのだ。

 俺は、この社長さんにはこう伝えたい。

 「国の未来を明るく変えるためには、全ての経営者がきちんと勉強し、労働基準法を遵守してもらわなくてはならない。単純にそう思う。」