道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

前田敦子さんがAKB48を卒業することを発表したのでブログを更新しようと思ったらやたら長くなった

 今朝の朝日新聞一面トップになってるんじゃないかと思ってヒヤヒヤして見たらまー、ちっさいちっさい記事で、むしろまー、よくもまーこんなスペースで記事載せたもんだっていうくらいでまー驚いた。

 とりあえずここでは去年の9月12日にこんなこと書いてたんですが、予想は大きく外れたものの、前田さん卒業に関しては結果的に予想通りだったということになってしまいました。

「カチューシャ」なんですけど、これ観るたびに、最後船に乗らず見送る5人、これが、近々卒業してしまうんじゃないかと思ってます。伏線なんじゃないかと。そう考えると、ファンから批判のあった寄せ集め的PVの作りにも納得がいきます

 最後の5人とは、前田さん、大島さん、篠田さん、板野さん、高橋さん、です。

 名実共にAKB48をささえている5人です。「これがいなくなってどうすんの?」と思わなくもないですが、すでに、前田さんは映画やドラマ主演、ソロデビュー、大島さんもその素質十分、篠田さんは年齢的にもうきつい、板野さんはハロプロでソロデビュー済み、高橋さんは、AKBの魂みたいなところはありますが、だからこその卒業。

 間違いがいくつかあるんですがご愛嬌で。いちおー板野さんはハロプロではなくホリプロです。なんという微妙な間違いをしていたんでしょう。

 色々と報道されているようで、と書こうと思ったらまだそんなに記事もあがってないんですな。
 そりゃま、昨日サプライズで発表があったのに今朝の時点で記事が沢山あがってたらそりゃまーおかしいだろって話になってしまいますからねー。

 朝日新聞デジタルが先ほど挨拶全文をアップしてくれているようですね。引用します。

 「私は14歳のときにAKB48のオーディションを受け、初期メンバーとして加入させていただきました。それは、私の人生にとって初めての大きな決断でした。そして、今日ここで2回目の大きな決断をさせてください。私、前田敦子は、AKB48を卒業します。私は昔から感情の起伏がすごく激しくて、メンバーにもたくさん迷惑をかけてしまいました。そして、ファンの皆さんにもたくさん心配をかけてしまったと思います。コンサートの1日目のときに東京ドームの発表があって、14歳のころからみんなで一緒に夢を見てきた、その夢がかなったと、とても感動しました。20歳の夢に向かって歩き出さなければといけないと、改めて思うことができました。正直、不安でいっぱいです。どうなるかわかりません。ここにこうしてたくさんいる後輩のためにも私が卒業して、歩き出さなければいけないと、そう思いました。いまは、まだ詳しいことは決まっていません。いますぐやめてしまうわけではありません。決まり次第、皆さんの前でご報告したいと思います」


 「それでも私なりに頑張ってきた6年半でした。」


 これかなー。と思いました。すげー頑張ってきたと思います。なぜかAKB48は当人たちや関係者たちの予想をはるかに上回るスピードで人気が出てしまい、特にこの二年間ぐらいはびっくりするぐらい人気ものになってしまいました。「成長した」とは思ってません。特に個々のメンバーが、仕事量や売上などという人気に比例して成長したかといえば決してそうではないと思うし、逆に言えば、個々や集団として成長したから人気が出たり動員が増えたというわけじゃあないと思うということです。

 しかし、人気が出て話題になって、メディアでAKB48を見たり聞いたりしない日はなくなりました。
 昨年末にはレコード大賞まで受賞しました。
 これはもちろん、プロモーションのおかげです。営業が成功した。それにすぎません。メンバーはその中で必死にしがみついてただ突っ走っただけです。おそらくここまでの成長をメンバーの内の何人が望んでいたのか。おそらくこれほどまでの成長は、すくなくとも2年前までは誰も望んでいなかったと思いますし、想像すらしていなかったんじゃないかと思えます。
 ただ、結果として国民的アイドルとか、トップアイドルとか呼ばれるようになって露出が増えると、叩かれることが多くなりました。ネット上では特に。2ちゃんねるなんかを見ても、ニュース速報板や既婚女性板といった多くの人が見る場所では特に一方的に叩かれました。好きでない人たちにとって本来「知らないしどーでもいい」存在であるべき人気アイドルが、どーしても目に耳についてしまうために「うぜー」「かわいくねー」「歌も踊りも下手だー」と思えてしまうんです。「俺の好きなあのアイドルより下なのに!」となるわけです。
 ビッグネームっていうのは常にそういう部分も含むってのは当然のことです。しかも彼女たちは自分でアイドルになりたいと思ってオーディションを受けて合格し、自分の意志で続けてきたわけでしょうから。ビッグになりたいという彼女たちの思いと、売上を上げたいという運営側の思いと、収益を上げたいというメディア側の思いが一致して今のような状況になったことは事実です。
 それによってファンの数も爆発的に増えました。彼女たちの元にはたくさんのたくさんの応援メッセージがとどきますし、公演のチケットなどもプラチナチケットと呼んでもよいくらいになりました。

 よく、AKB48というと「オタクっぽい」と言われます。先日も友人から言われました。否定はしませんが、同時に、小中学生の女子から絶大な人気があるアイドルグループであるということを見逃さないで欲しいのです。彼女たちは実力うんぬんはともかく、人気ではおしも押されぬナンバーワングループなのです。
 AKB48にしてもSKE48にしても、劇場型アイドルと呼ばれ、もともと専用劇場を持ち、そこでの公演を行うことを活動の中心としたグループです。「会いに行けるアイドル」それがコンセプトでした。秋葉原AKB48劇場では今でもAKB48メンバーによる公演が毎日行われているそうです。
 特に前田さんを含む一期生は、グループは当然、この劇場の立ち上げからのメンバーですから、一人もお客さんのいないところからやってきたわけです。お客さんのいないステージに立ってきたわけです。毎日、本番のステージに立つ。当時は前田さんは中学生だったと聞きます。

 この、「舞台に立つ」ということの経験は、とてつもなく大きいと、少しだけ舞台を経験したことのある俺は思っていて、しかもそれが毎日で、さらにそれは稽古ではなく本番なんです。それを何年間もこなしてきたんです。その経験値というものを、俺はすごく評価しています。ヤろうと思ってできることではありません。暇があってある程度お金があって、歌や演劇なんてのが好きな人だとしても、それだけのことをこなすなんて、よっぽどじゃないとできませんよ。と俺は思います。
 でも、結果として彼女たちはやってのけたんです。中学生や高校生から、二十歳を超えたいままでずっと。
 テレビで彼女たちを見ることがたまにあります。と言っても俺はNHKの音楽番組を録画して見るくらいなんですが。彼女たちのトークとかそういうのを聞いててもなにも楽しくないしいいなーとかも思わないですが、いざ歌うという時のステージパフォーマンスってすごいと思いますよ。いい意味で「こなれてる」と思います。舞台に慣れてるんですよ。若いのに。
 シビアなステージの中で育ってきた彼女たちにとっては、広くて綺麗なセットがあって照明がすごくて、カメラワークまできちんと割り当てられたテレビ放送用のステージは、すごくやりやすい場所と感じるんじゃないんでしょうかね。
 これは、AKB48の運営がテレビというメディアを重視していないことも関係してるのかもしれません。AKB48にとってテレビっていうのは「テレビを見ている人たちへの宣伝用の仕事」でしかなくて、本来の仕事場は、ライブだったり握手会だったり地方営業だったりするわけですよ。それまでの「人気アイドル=テレビでひっぱりだこと」という図式を壊しちゃった。テレビという、消耗の激しい、それでいてコストパフォーマンスの悪いメディアには頼らないというのはすごく懸命な判断だと思います。そもそも、AKB48のファン層である10〜20代の若者にとってはテレビというメディアは影響力が小さいものに成り下がっているでしょうしね。

 個人的にはAKB48ってすごい成長してると思ってます。よくもまーここまで、と尊敬してます。
 6年以上ですか? スタート当時は歌うことも踊ることもできなかった子達が、今や大きな舞台でもきちんとパフォーマンスを展開できるまでになったわけですよ。しかもメンバーは常に固定じゃないわけですから、その分大変。でも、やってきた。「大変だろうなー」という感想しか抱けないです。ほんとによく頑張ってると思います。心から尊敬してるんですよ。メンバーのみなさんを。

 前田さんは、常にその中心で、先頭だったんです。

 人気で言うと決してトップではなかったと思います。グループの勢い、人気と比較して、その活躍や評判は高くないと言っていいと俺は思ってます。どちらかと言えば個性が強い大島さんや篠田さん、柏木さんや渡辺さんそして指原さんなどの方が熱狂的なファンは多いように感じています。
 ですが、なぜか、叩かれる時は、常に前田さんが中心でした。
 「おとなしい女の子だった」キャラである前田さんは、AKB48の作品の中でも、中心でありながら一歩下がっているような立ち位置に置かれました。控えめなトップアイドルという印象です。だから、叩く人も叩きやすいのかな、と思います。これではいじめなんですけどね。いつのまにか2ちゃんあたりでは「AKB48叩き=前田叩き」のような構図になってました。裏を返せば、AKB48にさほど興味がない人たちにとっては、叩きたくても前田しか知らないという人が多いわけです。前田さんは、唯一、AKB48メンバーで顔と名前が一致する人として、日本に君臨しちゃったと言っても過言でないわけです。だから結果的には叩かれる対象にされてしまった。と。そして、その叩いてる多くの人たちは、地下アイドル板などのAKB48への支持や人気を知らずに叩いています。

 前田さんを好きとか嫌いとかは個人の感情なのでとやかく言うつもりもないですが、彼女がどれだけ「自分なりにがんばってきた」かは、ちょっとぐらいは考えてあげてもいいと思います。ただぼーっとしててトップアイドル集団(今や100人以上ですからね)の一員、しかも中心で先頭で居続けられるとでも思いますか? ちょっと人気があるくらいで興味も関心もない人たちが叩きたくなるくらいにメディアで露出するアイドルになれると思いますか? 
 言ってみれば「前田さんの代わりなんていくらでもいる」んですよ。でも、これまで誰も前田さんの代わりにはならなかったんです。その存在の大きさを、知ってくれとはいわないですが知らないで叩くのはやめてあげてほしいってことです。

 だから俺はほんとに、前田敦子さんにお疲れさまでしたと言いたいし、敬意を持って卒業をお祝いしたいと思います。
 前田さんの一番いいとこって、「はにかんだ笑顔」だと思うんですよ。本人も言ってるように歌も踊りも喋りも演技も下手ですよ。でも、あの笑顔だけは、すげー素晴らしいと思うんです。

 その前田さんの魅力が一番詰まった(と俺は思ってる)PVはこちらです↓