道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

 主婦とリーマン・買い物考

 9月になりました。
 大都会群馬においてうちの地域では、8月25日から小学校がはじまり、26日からもう6時間授業という、大都会ならではのスパルタ教育を行っています。その割りに宿題を解く長男を見てはため息しか出ない。
 そんでもう、運動会まで2週間すよ。げ。ほんとにあと2週間後には運動会じゃないか。大丈夫なんかよ。
 昨日からはすげー雨で、県内高速道路が通行止めに陥るほど降ってました。俺の記憶の中で北関東道が雨のために通行止めになるってのは初めて聞いたし、しかもそれが高崎JCT〜前橋南ICという、非常に短い区間だったので、いかに局地的に大雨だったのか、ということが伺えます。雨怖い。
 群馬は海がないので、津波や時化や大波小波とかっていう心配とは無縁社会です。山はたくさんあるので、土砂崩れや遭難といった災害は怖いです。あと、「線路に鹿がいるので止まります」といって電車が止まったりします。「まいったねー」じゃねえよ、運転士。武器でも搭載しとけ。ただ、線路上で止まっていても次の電車は一時間後とかなので、追突される心配はなく、逆に、線路が単線なので、あんまりもたもたしていると、前から電車がやってくる、なんて事態には陥るかもしれません。なんの話をしているのかもはやわからなくなりました。


 で、先日の休みに近所のスーパーに買い物に行ったんですよ。次男(3)連れて。あれなんでだったかなー。ああそうだ。夏休みで子供がたくさん来るので肉とか買って来いって母親に頼まれたからだ。
 そんで俺は次男とスーパーうろうろしてた。そうしたらふっと違和感に包まれたので考えてみたんだよね。なんかこう、違ったんだよなー。回りの、おそらく主婦と思われる女性たちと、俺の動きが。俺明らかに浮いてる。あれはなんでだろう。動きがのろいというのか、じぐざぐしているというのか、ふわふわしているというか、邪魔だというか。。。
 次男がちょろちょろしててその後おっかけてて、とかそういうことじゃないんだよね。むしろどっちかってーと次男はほったらかして「あー油揚げー」とか「波乗りジョニー。今日もお前はジョニーだぜ。」とか「おお。これが嫁さんの言うキュウリの漬物・はいから亭主か!」とか、ずーっとぶつぶつ言ってんの。
 「サンマじゃん!最近サンマ食ってねえな。これはあれか、冷凍じゃないので生サンマなのか、そうなのか! げ。やす!」とかさ。「うひょー。ステーキ肉だぜ。せ、1980えん! こんなん買う奴いるのか!?」とか。「お。コーラ1,5が178円か。158円じゃないと買っちゃ駄目って死んだばあさんが言ってた。残念だったな。」とかね? けっこー楽しいんですよ。だけど、周りの主婦はそういうこと言ってない。少なくとも俺が買い物をしてたあの時には、いなかった。あの日あのとき、あのベイシアにはいなかった。
 次男と一緒にお菓子コーナーで「おお。次男みてみて。うまそじゃね? お。なにそれ。ガムかー。ガムまだだめだなー。お前まだ食えないじゃん。お。せんべーだ。せんべー好きだよねー。おいしそだよねー。」とか言いながら、結局10円のチョコを二つくらいカゴに入れて、買い物を続けたりしながら俺は違和感を抱き続けていた。

 そういえば、嫁さんと一緒に買い物に来ても、俺は浮いてるなーって思った。なんかこう、カートを押しながらあっち見てこっち見て「見て見て。へんなのみっけた。」とか、「おお? ね、すげくね?これ、でけえ! 安いよねー。やすい。 え?うん。食べないね。あはい。戻します、ええ。」とか嫁さんに話かけてるんだよな。ずっと。嫁さんはひたすら何かを見てはカゴに入れ、探してはカゴに入れ、値段を見ては棚に戻し、をひたすら繰り返している。反復横とび並みに、その動作には無駄がない。
 
 ちなみに俺は、休みの日で用事がないときなんかはけっこー買いもの付き合う派です。付き合うってか、連れてってもらう。行くとこないから、買い物くらい出かけたいじゃないの。なんでって、友達いねえからじゃん。言わせんなよ。

 そんでさ、思ったのはさ、あ。うちの嫁さんはお仕事してます。パートさんしてます。思ったのは、スーパーって、主婦の戦場じゃん?仕事場じゃん? ご飯を作るのも主婦の仕事なら、その材料を仕入れたりするのも仕事だし、資金繰りと仕入れを同時に行うのも主婦の仕事なわけだな。そうすっと、「買い物に行く」とか「買い物をする」って言う行為は、リーマンが「会社に行って仕事をする」のと同等の行為なわけだ。だから、その動きには無駄がないし、頭の中は「仕事モード」に切り替わっていて、スーパーのどこになにがあって、なにをいくつ買うとなにが作れて、その予算はいくらで、ってことがわかるわけよ。それって同時に費用対効果をはじき出してる。おそらくそれをしながら同時に、買い物が終わってから夕飯をつくって片付けるまでの仕事の流れを組み立ててるわけでしょ?
 リーマンが新聞読んで経済の動向をチェックしたり、取引先との話題を仕入れたりするように、主婦はチラシを見て物価の動向をチェックして、井戸端会議の話題をワイドショーによって仕入れているわけよ。これみんな仕事なわけ。

 そんでさ、そこにくっついてってる俺って、あきらかに「オフモード」じゃん? 休みの日ってぼっとするよな。シャキッとしないってか、緊張と緩和で言えば、緊張から開放して、なるべく緩和を心がける。そうじゃないと疲れちゃう。だから、「ねー。あれ、おいしそうですよ。」とかさ「やばい。これ欲しい。ちょうほしいんですけどー。」とかずっと言ってるんだよな。仕事中ってそんなこと言ってらんないでしょ? あとさ、俺はそうやって目に観たものが脳を通らずに直接口から出てくる人間なので喋り倒してるんだけど、俺以外の、そうやって奥さんについて来てるお父さんたちも、あきらかに浮いてるんだよな。なにをしていいのかわからずに、通路の真ん中でカートと一緒にぼんやり立っている。大体は遠くを見つめる目をしている。それとか、明らかに「お前それ買わねえだろ。ぜってーかわねえだろ」っちゅーもんを手にとって「ふむふむ」みたいな顔してる。なんかさー。通路に平積みされてる「カレー鍋のおつゆ」とか「肉」とか手にしてるお父さん見てると心が温かくなるよな。そんで大体は3秒後ぐらいに奥さんに呼ばれて、慌てて現実に戻ってきたりするんだよ。
 あれ、あのお父さんはカレー鍋が食いたいんじゃないんだよね。きっと。おそらく「ほう。今はカレー鍋なんていうのがあるのか。そういえばこないだ部署の若いのが言ってたな。これがそれか。カレーを作ってコレと混ぜると鍋になるということか。。。」とか考えてるんだろうな。肉を手に取りながら「これが200グラムか。女房が2キロ太ったとか騒いでたが、これが10個付いてるわけだ。いつそんなに食べてるんだろうか。彼女は。。。」とか考えてるんだろなー。と、思うのよ。

 いやま、お父さんが何をどう考えていようかはそれぞれの家庭の事情がおありでしょうから俺がとやかく言うことじゃないんだけど、とにかく俺は、スーパーは主婦の仕事場だと思ったわけよ。そこにのこのこ付いてってだらしなくずっと独り言を言っているとか、遠くをただ見つめているっていうのはこれは、「足手まとい」なんじゃねえのか、と。
 だって、考えてみ? 世の中の、買い物に付いていくリーマンたち、考えてみ? 会社で仕事してる時に明らかに普段着で奥さんがやってきて「へー。これが見積書ってやつね? あらやだ。こんなおっきなコピー機がある。すごいわー。 へー。なんでこんなに電話にボタン付いてるの? 」とか言って回ってたら、うざいっしょ?ましてや「ねえちょっとあんた、これ見て。来週の会議第2会議室だってよ? とか、あらー。A社の見積もり、B社の見積もりより5000円も安いわよ?」とか言われたら「うるせー黙れ」って思うでしょ?
 俺たちがスーパーでやっているのはそういうことなんかじゃないのかと、思ったわけよ。

 で、思ったからなにかと言われれば別になんでもないんだけど、思ったからとりあえず書いておくかな、と。それだけです。今後は買い物に連れてってもらう際は、あまり邪魔にならないようにしようかな、とは思いました。ん? 「買い物にはついていかない」という選択はしないよ。だってつまんねーじゃん。