mixiのメアド検索について思ったことを少々
すでに機能停止になってますが、「健全なサイト」mixiにおいて、先日「メールアドレスから友達を検索する」のような機能が展開され、あえなくすぐに停止されました。
これにおいては問題点が多くあり、それこそ、知られたくない秘密を知られた人もいるでしょうし、知りたくなかったことを知ってしまった人もいることでしょう。
では、基本的に非公開なＳＮＳ内であって、何が問題であったのかをちょっと考えてみました。
まず、自分で言っといてすぐさま否定するのも気が引けるのですが、そもそもの前提条件かのように思われている「非公開」「匿名」「健全」ということが、かなり大きな数字で疑わしいということです。つまりは、すでに当初招待制だったmixiは、オープンになっており、一人でも登録できるようになっています。また、その「当初招待制」だったことも手伝って、「秘匿性が高い」という認識がうっすらとまだ残っており、「ある程度個人が特定されてしまうような情報であっても、知り合いにしか公表されないのだからまあいいか。」と思ってしまうところです。そんでもって「健全」というのは、嘘です。いや。嘘かどうかは知りません。が、そもそも健全というものはなにかということについては、おそらくＥＭＡ内でも明確に論じられてはいません。
で、ですよ。つまりの問題点は、
「メールアドレスから、その相手を特定できてしまうかのようなシステムを、無条件に運用してしまった」
ことに尽きます。
えっとですね。まあ、運営側にしてみれば「そもそも個人を特定できてしまうような個人情報を書き込むことは控えるべきであり云々・・・」とかいういいわけでもできるわけですが、ことこれにおいては、規約云々を超越したところで、配慮が必要だと強く言いたいですね。
つまり、現在のmixiが、当初のようにそこそこ閉ざされた世界であればまだ、それもいたしかたないかなと思えなくもないですが、今のように「ほぼ誰でも参加できる」状況にあっては、メルアドから個人が特定できてしまうようなのは、相当にやばいですよ。いやほんと。相当に、ヤバイ。
これは過去携帯屋だった感想ですが、たとえば、迷惑メール、つまり架空請求に悩んでいる人の相談って、皆さんが思っている以上に非常に多いんです。学生さんとかが多いんですけど、中年の方もそこそこ相談を受けます。そういうときにコチラができることって少なくて、っていうのは携帯屋ってのはあくまで通信事業者でしかないから、メールの送信元を特定したり、そのメールを送ってこないようにしたり、届かないようにしたりっていうことは、こちらとしてはできない。あくまで通信元と通信先の両者で解決してもらうしかない。
同時に、「身に覚えのない請求がきたんだけど、どうしたらいいんだろう。。。」っていうこういうことに対しても同様で、「払わなくていいですよ。」と言い切れない。実際にどういう規約になっていて、実際にその人が利用したのか利用していないのかの確認なんて、取れないからだ。
でも、経験から、大半は、そうだな、99％に近い数字で、それは、架空請求だったり、迷惑メールだったりすることはわかる。こんなもんは何ヶ月か携帯屋をやったらハタチそこそこの女の子にだってわかることだから、別に大した能力じゃない。
それでももしもってことがあるから断言はしない。
そこで、相手をひとまず安心させるための言葉がある。
「自分の名前や住所、電話番号とか、入力しましたか？」
って。
すると、ほとんどの人は「いや。それはしてない」って言う。
「じゃあ、だいじょぶです。仮に、契約云々という文面があったとしても、どこの誰ともわからない人と契約したということにはできないはずです。大事なのは、そういう、コチラを特定できるような情報を相手に伝えないことです。仮にしつこく請求があったとしても、『登録住所に請求書を送ってください。それを見て判断します』と答えれば大体はだいじょぶです。」
とかアドバイスしてた。それはつまり、
「メアドは相手に知られちゃってるけど、メアドから個人を特定するようなことは不可能だからねー。」という、大前提条件があったからだ。
もちろん、メアドから個人を特定するなんて不可能だ。
フリーアドレスもあるし、プロバイダメールだった場合でも別に、どこの誰ともわからん。
だが、それがケータイのアドだったらよ。
そして、話は冒頭に戻り、今や、招待がなくとも自分のケータイだけでmixiに参加できるようになっている。
怖くないか？
悪いが俺は、メアド検索を見たときに「通信の秘密」という文字が頭の中にくっきりと浮かんだよ。ケータイ電話会社だって、電話番号の持ち主なんて、捜査令状でもない限り明かさない。
