道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

貧乏なので自宅で焼肉(豚)大会をしてとても楽しくて満足して贅沢だった。

 先の土曜日。夜勤明けだったので午前中うとうとして、そういえば近所のスーパーのキッズガーデン(子どもが遊ぶなんかボールとかごろごろしてたりふわふわしてたりするコーナー)が午前中20分無料だとかいうメールが来てたな、と思って、次男を連れて行ってみた。長男はサッカー。
 次男はそのキッズガーデンが貸切状態で、でも、10分ほどで飽きて、やっぱり車の遊戯に乗ったり降りたりしていた。そんでお昼になるので次男を無理やりひきずって愛車ワゴンRに乗って長男を迎えに行った。
 
 余談だけど、次男はこの「父ちゃん仕様ポンコツワゴンR」がなぜか大好きで、休みの日とかなんかちょっと時間があると乗りたがる。ただ乗って、運転席でハンドル動かしたり、ドア開けたり閉めたり、後部座席に乗ったりするだけなんだけど、ずーーーーーーーっとやっている。
 次男は車が好きだ。長男は車に興味はない。でも次男は車が好きだ。人のことを車種で呼ぶ。
 例えば、俺が家に帰ると。
 「お帰り!スズキワゴンアールウ?」
 嫁さんが出かけようとすると
 「あ。マツダエンピーブィ乗る!」とか
 日産マーチを見れば
 「あ。じいじといっしょ。ね、ニッサンマーチねー。」
 シエンタが走っていれば
 「トヨタシエンタだ。 あ。 あ。」てなったりする。
 どこでおぼえたんだろう。ああ。余談だった。

 で、長男を迎えて車に乗ったら、なんだかすごく腹が減ったので「腹がへったなあ」とつぶやいたらめずらしく長男も「俺もー。」と言った。めずらしいというのは、サッカーの後はなんだかんだあまり食べないし、腹が減ったとも言わないからだ。
 「肉食いたいな。」と、俺がつぶやくと「うん キラーン 食べたい!」と食いついてきた。

 で、家に帰りころあいを見計らい、嫁さんに「あのですね。安いお肉でかまいませんので、お肉をジュージューとこう、したいんです。」とおねだりした。すると風呂から出てきた長男が「ねーかーちゃん。肉食いたい!」と畳み掛けた。
 三兄弟の昼食の準備を終えた嫁さんは、しぶしぶ少ないお金を握り締め、スーパーに買出しに行った。
 そして夜、我が家は焼肉大会になった。
 貧乏だから言うわけでもないが、肉は牛より豚の方がうまいと思う。特にご飯に会うのは豚肉だと思う。当然、我が家の焼肉も豚だった。次男は、なぜかその日の午後「ねーとーちゃん。パン食べる」と言ってトーストを2枚も食っていたのでほとんど食べることはなかった。しかしその分長男が食べた。お肉お肉とばくばく食べて、決して多くはない肉が見る見る内に減っていき、親は肉を食べずに見守るほどだった。もちろんまったく食べないわけでもなく、つまみつまみ食べていて、「ああ。おいしいな。」と思いつつ、しかも夜勤週だったので、家族でご飯食べるのは久しぶりだったので、おいしかったのもあるし、うれしかったり楽しかったりもした。
 焼肉のたれがこれしかない。という激白のおかげで、子どもたちはたれ、大人は味ポンという微妙なジャッジだったが、豚肉や野菜だから味ポンでも十分おいしくいただけた。むしろあっさりで普段よりたくさん食べてしまったかもしれない。

 長男が「もう肉いらない。野菜食べたい。」と言ったのは、結果的にまだ焼き焼きたい会の中盤だった。もともと野菜好きな長男(次男も)は、そこからが本領発揮だった。
 肉をそこそこ食べ、ご飯を半分残しつつ、野菜を食べ始めた。
 その日、我が家の食卓には、ホットプレートを真ん中に、少しのお肉と、ボウル一杯の野菜が並んでいた。野菜の内訳は、もやし、キャベツ、たまねぎ、長ネギ、ピーマン、ジャガイモだった。マジ、山盛りに近いほどの野菜だった。
 始まりは肉を中心に焼いていたのだが、食べるペースが落ち着いてきた頃から野菜を多く焼き始め、後半はほとんど長男が野菜を食いきった。「ネギうまーい。あっちー!」「キャベツ。そうそう。このしなり具合、こげ具合!」とか「ピーマン。 焼けた? あー。ピーマンちゃんー。」とか訳のわからないことを叫びながら野菜をもりもり食べ続けた。結局、お肉ももちろん、ボウル一杯のその野菜もすべてなくなった。家族みんな、満腹になった。なんだか、楽しかった。

 片づけをしながら、嫁さんが「よかった。1000円もお肉買ってないんだけど、満足だったね。」と言った。
 俺も「そだな。まあ、外で食べることを思うと、お肉はともかく、これだけ野菜をたらふく食べようと思ったら、いくらかかるかわからんもんなあ。」と言った。
 「そうだねー。平らなお皿にちょっと野菜が並んで5〜600円とか取られるもんねー。」と返した。

 片付けを続けながら「おいしいお肉を食べること」と、「お肉をおいしく食べること」は、同じようでいて何かが決定的に違うのではなかろうか、と、少し思ったけれど、考えるのが面倒なのでやめた。
 その日は、お腹も心も満足していたからだと思う。