道ログ2

群馬県在住のおじさんがブログを書く

胆石入院日記4 外科への誘い


     胆石日記


 ERCP検査のための検査室に入ると、中央に配置されたベッドの上からレントゲン撮影をするような機材の配置になっていた。
 看護士さんも数名いたし、レントゲン技師なのか、医師も数人いた。
 俺はベッドに横になるように言われ、仰向けに横になった。
 「これから何が始まるのだろう」という不安。横になるのを促した看護士さんは「うつ伏せになってもらいますから」とも言っていた。腕にはもちろん点滴の針が刺されたままだ。うつぶせって。首を動かすことができない状況ながら、室内をうかがうと担当の先生の姿はまだなかった。
 肩に注射をされる。内視鏡のときと一緒だ。仰向けになっているところへ「咽の麻酔」ということで5分間飲み込まずに咽にためておく薬を口内に放り込まれる。周囲では忙しそうに何人ものスタッフが動き回っている。怖い怖い。
 土曜日にやった胃カメラは、前室に担当の看護士さんが一人、検査室内には医師と看護士さんが一人だけだったのに。「そんなもん」だと思っていたのに。

 ほどなくして先生がやってきて、スタッフと言葉を交わしながら「がんばりましょうね」などと声をかけてくれた。5分経ったのか咽にためていた薬を吐き出すように言われた。直後「じゃあ、うつ伏せに」と指示され、頭上注意を促されながらうつ伏せになる。体勢を細かく変えられながら、頭だけ先生のほうを向かされた。

 「じゃあ、ぼおっとするお薬入れていきますね。」と俺に言いながら先生は看護士さんに「ナントカ4とナントカ2お願いします」と指示を出した。麻酔みたいな薬を投入するということなんだろう。薬自体は点滴の管から入れるわけだから、ここで新たに針を刺すことはない。どうなるんだろう、と思うや否や、目の前に見えていた四角いカートのような金属の台が、ぐにゃりと歪んだ。「あれ。。。」と思ったところで、先生が「ナントカ2入れましょう」と言ったのが聞こえたのが最後、意識を失った。途中、夢を見たように断片的に自分の体内の映像がモニター越しに見えたという記憶があるが、はっきりとしたことはわからない。その記憶の映像には色がついていたと思うが、音はなかった。苦しいとか痛いとかそういう感覚もない。
 次にはっきりした記憶というのは先生が「今目が覚める薬入れましたから、段々意識がはっきりしてきますからね。」と言ったのが聞こえた、ということだった。ストレッチャーに乗せられたのだろう、廊下に出ると嫁さんの顔が見えた。そのまま意識が途切れ途切れ、明確になったのは病室のベッドの上だった。

 「こんなに大掛かりだとは思ってなかったわ・・・」と言いたかったが、身体は動かないし声も出なかった。とりあえず大丈夫だと伝えたくて、嫁さんの手を握った。
 「なんかね、今日調べたところには胆石なかったんだって。」という、嫁さんの驚きの一言でより意識がはっきりしたのを覚えている。
 どうやらCT撮影したときに見えていた胆管だか十二指腸だかどこかの石が、今日の検査ではなくなっていたということだった。ないならないに越したことはない。

 数時間後、先生が病室にやってきて、検査の結果を教えてくれた。今日の検査では石はなかったが、たんのうの中に石がある状況は変わっていないということ。そして、外科的な処置をしたほうがいいかもしれないので、入院中に外科医の診断を受けることをおすすめします。といった内容だった。
 検査結果を元に外科の先生と話したところ、たんのうそのものを取ってしまったほうがいいかもしれないね、ということだったと。

 「当院の副院長で、とても頼りになる先生ですよ」と付け加えてくれた。


   胆石入院日記5