なんで女性は「なんで?」と怒るのだろう
以前からずっと思ってるんだけど、女性は怒るとき「なんで?」って聞くのはなんでだろう。
いや。うちの嫁さんとか上司とかなんですけど。
わかってても「なんで?}って聞くよな。言わせたいのかね。
「なんで?」って聞く人って、「なんで?」って言う問いに対して納得のいく答えが得られたこととかあるのだろうか。
ないんじゃないかな、と思うんだけど、どうなんだろう。
なぜならば、その問いに対してほとんどの場合において男は答えることができないからだ。
たとえば、夫婦喧嘩とかすると
嫁さんに不満を抱かせないような立派な旦那じゃありませんし、どっちかっていうとグータラでだらしなくて家のこととか何もしないだめ旦那である自分のことを例に挙げます。
ちょっとしたことで嫁さんが怒ることがあります。「いかる」です。おこるじゃないです。まあ、分かるんです。日ごろの不満がちょっとしたことをきっかけに爆発することがあるってのは。それは仕方ないと思ってる。「そんなことで怒るなよ」とか言う気はないですよ。
たとえば、「自分で飲んだビールの缶ぐらい自分でちゃんと捨ててよ!」というお叱りがある日突然あったとする。ものすごい勢いで怒られる。さっきも言うようにきっと、空き缶をそのままにしていることに対してそんなに怒っているわけではなく、常日頃のいろんな重大な旦那としての欠陥に対して、「また空き缶そのままにして、もう、いい加減にしてよ! 私の気も知らないで馬鹿面で眠りやがって!」ということなんだと思う。あくまで空き缶はきっかけに過ぎず、「プチン!」とスイッチを入れただけなのだ。
すると続く「いつもいつも置きっぱなしで! なんでそれくらいのことができないの?」
いや。なんでと言われても。「ごめん。」としか答えようがない。
「ごめんとかじゃなくて。 私は、なんで? って聞いてるの。」
「いや。別に理由とか・・・」
「私はあなたの食事係でお掃除係だから片付けるのが当たり前ってこと?」
ここでなぜか論点が拡大する。怒られながら俺の頭の周りには「?」がたくさん飛び交う。
(なんで今食事係とか掃除係の話になるんだ? 今は空き缶を片付けてないことが問題であり、それに対して反省の態度を示さなければいけないはずだ。)
とか考えて、話を戻すために一生懸命考えて「なぜ空き缶を片付けなかったか」ということについて返答する
「えっと、子供(まだ赤ちゃんだった)が寝てると缶の音で起きちゃったりするとまずいかな、とか思って。。。」
「起きてたって片付けないじゃん!」
あ。はいすみません。そうでした。すみません。
まあフィクションなんですけど、そんなやり取りがあってここで沈黙に入る。なぜ沈黙かというと、「空き缶を捨てなかった」ことについては謝る以外になく、というよりそもそも理由などなく、「今後はちゃんと片付けます」しか言うことがないからだ。
しばらくの沈黙の後、話が蒸し返される
「子供が起きちゃうって言ったって、そんな音ぐらいじゃ起きないことぐらい知ってるでしょう・・・」とか。
「あ、はい。。。 すみませんでした。今後は気をつけます。」
大体、なんで? って言われても「そんなこと」に理由はないし、仮にあったとしても「面倒くさいから」とか「お前が片付るべきだから捨てなかった」ぐらいしか思い浮かばない。いや、そうは思ってないんだけど。で、仮にそう答えたとして、火に油を注ぐだけなので言うだけ無駄だ。また、「お前が片付けりゃいいだけの話だろ。そんなことで怒ってんじゃねえよ。何様だお前。」とか言うといわゆる喧嘩状態に陥るんだろう。喧嘩になった後のことを考えるととてもじゃないが面倒くさくて言えない。静かに火が消えるのを待つしかないのだ。
で、ヘソを曲げて寝室にでも入ろうものならそれはそれで嫁さんの怒りは増すばかりだし面倒なことになるばかりなのでそれもできなくて、ひたすら沈黙と反省が続く。
子供を叱るときにも
先日小学生の息子にキレていた嫁さんだが、話を聞くと、いつもいつも学校から帰ってくるのが遅いらしい。まだ2年生なんだからまずはまっすぐ帰ってきて、それから遊びに行くなりなんなりしなさいと教えているのだが、なかなか色々なところに気を引かれて帰りが遅くなることがあるようなんである。
その日はたまたま次男を病院に連れて行くために「早く帰ってくる」約束をしていたところ、いつものごとく帰りが遅い(といっても2、30分)のでさすがにキレた、ということだった。
で、「なんで早く帰ってくる、まっすぐ帰ってくるだけのことがちゃんとできないの? 何回も何回も言ってるよねえ? なんでできないの?」とか。
問い詰めるってのかね。当然子供も悪いことだってのはわかるから黙っちゃう。答えようがない。理由が自分でわかっていれば改善できるかもしれないからだ。「なんとなく遊んじゃう」んだよ。俺そっくりだな。
で、返す言葉もなくしゅんとしている子供に追い討ちをかける。
「先生にも片づけがちゃんとできないってこないだも言われたでしょ。一日何回先生に怒られてるのよ。ねえ。」と。
かわいそうに。「早く帰らなきゃだめだ。」って反省し始めているのに、それ以外の行動もダメ出しを食らってしまった。これ、言ってる側の人間は気づいてないかもしれないが、一つの行動に対してダメを出し、さらに「この間だってあれがこうで」とか「あの件についてはどうなのよ。」とかってなると、人格そのものを否定されているような気になって、結局反省はするもののどこをどう具体的に改善していけばいいのかを見失っちゃうんだよね。それで、自分のすることなすこと全部ダメなんだなって思っちゃうと、もうどうしていいかわからなくなっちゃう。
で、かわいそうなので横から交通整理をする。
「今そこまで言っちゃ子供だって理解できなくなるよ。まずは明日からちゃんと早く帰ってくるって約束しよう。それができたら次のことをできるようにしようよ。ね。できるか? 息子。明日はちゃんと寄り道しないで帰って来いよ。」と。
子供は黙って頷いた。
毎日毎日同じように怒られていても同じようなことをしでかし、なおかつそんな母親のことが大好きなんだから、親子って偉大だ。
で、一応フォローする。
「嫁さんさ、今はまっすぐ帰ってこなかったことに対して怒ってるんだから、それ以外のこと言い始めちゃうと理解できなくてどうしていいかわからなくなっちゃうよ。論点が分散しちゃうんだ。だから、一つのことに対して一回怒る方がいいよ。」って。まあ、遠まわしに「俺に怒る時もそうしてね、」ってことを言いたかったんだけど、そしたら見事に
「じゃああなただって明日からちゃんと早く起きてよね。家のことも子供のことも全部私がやってるじゃん。」
と帰ってきた。
だから、今はその話はしてないのに、そういうことを。
とほほ、と思って「わかったよ。」とだけ言ってテレビを観た。
「なんで?」 って訊きたい気持ちもわからなくないんだけど
何か問題が発生した際、感覚的に女性は「なんで?」と、原因を知りたがるように思う。
対して男性は今後の改善策について考えたがる。改善策を考えるに当たっては原因を知る必要があり、原因そのものはもはや大きな問題ではなくなっている。「そこがエラーだったんだからそこがエラーにならない方法を考えればいいじゃないか。」と。
大体、女性が「なんで?」って聞いてくる際には、それに対する満足のいく答は男は持ってません。敢えて言うなら「ばれなきゃいいだろ。」と思っているとか、「なんとなく。」ぐらいのもんで、結局は女性に甘えているだけのことなんです。仕事上のトラブルであれば金銭的や地位的に責任のとりようもありますが、男女間においては責任をどうとるかって言われてもなかなか難しい。
で、特に肉体関係にまでいたる過ちにおいては圧倒的に女性側のリスクが高いわけで、その危機感があるからこその「なんで?」なのかな、なんてちょっといまがんばって考えてみた。
以前にとある産婦人科医の言葉として
「結婚するつもりのない相手とはセックスをするな。」
とかいうものがあった。男はどう間違えても妊娠しないのだ。
そういう意味で、やはり男は間違いや過ちに対しての意識は低いのかもしれないなあ。
「ごめんなさい」で許してくれると思ってんだよね。馬鹿だな、男って。
今日もまとまんなかった。